「FX取引におけるスワップポイントについて知りたい」「業者によってどの程度違いがあるのか知りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。スワップポイントは、通貨ペアを保有することで得られる利息のようなものであり、長期的な取引を行う上で重要な収益源となります。
しかし、スワップポイントの条件はブローカーや通貨ペアによって異なるため、比較して選ぶことが大切です。
今回はそんなスワップポイントの基本的な仕組みや、大手FX業者のスワップポイントを比較して解説します。FX取引で安定した利益を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
FXのスワップポイント比較一覧表
以下は、FX業者における通貨別のスワップポイント一覧表です。
スワップポイントの捉え方は後述で詳しく解説しますが、買いのスワップが数値が大きいほど、売りのスワップは数値が小さいほど利益を狙える状態にあります。
比較表 | 米ドル/円 | NZドル/円 | トルコリラ/円 | メキシコペソ/円 | 南アフリカランド/円 |
SBI FXトレード | 買い:699 売り:-723 | 買い:414 売り:-444 | 買い:111 売り:-156 | 買い:780 売り:-930 | 買い:510 売り:-600 |
GMOクリック証券 | 買い:236 売り:-236 | 買い:142 売り:-142 | 買い:45 売り:-45 | 買い:301 売り:-301 | 買い:200 売り:-200 |
みんなのFX | 買い:225 売り:-235 | 買い:130 売り:-130 | 買い:37.2 売り:-37.2 | 買い:26.1 売り:-27.1 | 買い:17.2 売り:-17.2 |
外貨どっとコム | 買い:235 売り:-265 | 買い:130 売り:-145 | 買い:37 売り:-57 | 買い:26 売り:-31 | 買い:17 売り:-27 |
トライオートFX | 買い:230 売り:-280 | 買い:140 売り:-175 | 買い:45 売り:-55 | 買い:30.5 売り:35.5 | 買い:22 売り:-28 |
KIGHTFX | 買い:230 売り:-230 | 買い:130 売り:-130 | 買い:40 売り:-40 | 買い:26.5 売り:-26.5 | 買い:18.1 売り:-18.1 |
GMO外貨 | 買い:236 売り:-239 | 買い:141 売り:-144 | 買い:37.2 売り:-37.2 | 買い:25.5 売り:-25.5 | 買い:17.2 売り:-17.2 |
DMM FX | 買い:708 売り:-717 | 買い:426 売り:-435 | ー | 買い:90 売り:-99 | 買い:60 売り:-69 |
※6/20時点
FXのスワップポイントとは?
FX取引におけるスワップポイントは、通貨ペアの金利差に基づいて発生する利息のことです。これは通常、1日の終わりに持ち越したポジションに対して支払われるもので、通貨ペアごとに買いポジションと売りポジションで異なる場合があります。
具体的には、FX取引ではある国の通貨を売り、他の国の通貨を買うことで、その国の金利に応じたスワップポイントを受けれる仕組みです。たとえば、日本円を売って米ドルを買う場合、米国の金利が日本よりも高ければ、ポジションを翌日に持ち越すことでプラスのスワップポイントを獲得できます。
逆に、米ドルを売って日本円を買ったとき、日本の金利が米国よりも高い場合には、マイナスのスワップポイントが発生し、口座から差し引かれてしまうわけです。
スワップポイントは、取引される通貨ペアの金利差や市場の金利水準によって日々変動します。トレーダーにとって利益の一部として捉えられることもありますが、ポジションを保有することで生じる追加のコストともなり得ます。
このように、スワップポイントは取引戦略において重要な要素となるため、トレーダーは正確に把握し、自身の取引スタイルに合わせて活用することが欠かせません。
スワップ投資におすすめの通貨ペア
スワップポイントを活用して利益を得るためには、高金利通貨ペアを選ぶのがおすすめです。これは、政策金利が高い国の通貨を購入し、低い国の通貨を売ることで、日々発生する金利差によるスワップポイントを得るためです。
高金利通貨を選ぶ利点は、その国の金利が高いほど獲得できるスワップポイントも多くなることです。例えば、一部の新興国通貨や特定の成熟市場の通貨は、高い金利を持っていますが、これには為替リスクや政治的な不安定要因も含まれます。したがって、スワップ投資を考える際には、単に金利だけでなく、通貨の安定性やリスクも注意して見ることが欠かせません。
例えば、トルコリラは高金利通貨の一例ですが、その国の信用格付けが低いため、急激な為替変動リスクが高いとされています。このような通貨ペアを選ぶ際には、スワップポイントの利益だけでなく、為替リスクを管理する戦略を合わせて実行する必要があるでしょう。
スワップ運用では、ポジションを長期間保有することが一般的ですが、市場の変動によっては損失が生じることもあります。そのため、定期的に通貨ペアの状況を監視し、必要に応じてポジションを調整することが重要です。
トレーダー人気が高いのは「メキシコペソ」
メキシコペソは、高金利通貨の中でも特に人気があります。その理由は、メキシコの信用格付けが比較的高く、為替動向が安定していることにあります。特に2020年のコロナショック後、メキシコペソは他の通貨に比べて急激な回復を見せ、コロナ前の水準を超えるほどの上昇を果たしました。
メキシコペソの人気は、メキシコと米国の経済的な繋がりにも裏付けられています。米国経済が好調な時期には、メキシコペソも強気となりやすい傾向があるためです。このような経済的背景から、メキシコペソはスワップポイントを獲得しつつ、為替差益を目指す投資家にとって安定した通貨ペアと見なされています。
ただし、メキシコ経済や政策金利の動向には常に注意が必要です。政策金利の変動が予想外の方向に動くと、スワップポイントのみならず為替差益の面でも影響を及ぼす可能性があります。そのため、メキシコペソへの投資を考える際には、特性とリスクを理解した上で、適切なポジション管理を行うことが欠かせません。
リスクを抑えるなら「米ドル/円」がおすすめ
スワップ投資でリスクを抑えつつ安定した収益を目指すなら、米ドル/円がおすすめの通貨ペアです。流通量が多く、市場の安定性が高いため、レートの急激な変動リスクが低い特性があります。これに加えて、米ドルは世界的に主要な通貨であり、安定した経済状況を背景にしています。
米ドル/円のスワップポイントもそこそこ高く、特に初心者にも扱いやすい通貨ペアです。例えば、資金30万円を投資してレバレッジなしで運用すると、月間のスワップ収益は最低でも1,512円に達します。これは外貨預金よりも遥かに高い利回りです。
さらに、米ドル/円は安定性のある投資選択肢としても評価されています。長期的なポジションを持つことで、スワップポイントを安定して受け取れるため、資産運用の一環としても価値があります。
ただし、米ドル/円の安定性がいくら高いとはいえ、投資には常にリスクが伴います。そのため、市場状況や経済指標の動向を定期的にチェックし、適切なポジション管理を行うことが欠かせません。米ドル/円を利用する際には、自身の投資目標やリスク許容度に応じて戦略を検討し、安定した資産運用を目指しましょう。
FX初心者がスワップポイントを稼ぐための5つのコツ
FX初心者がスワップポイントを稼ぐためのコツとして、以下の5つがあります。
- 余裕を持って資金を用意する
- 長期的な値動きを予想する
- 短期取引でも利益確定しておく
- スワップポイントの変動はまめにチェックする
- 低いレバレッジで運用する
それぞれのポイントを確認し、スワップポイントによる利益を増やせるようにしましょう。
余裕を持って資金を用意する
FX取引においてスワップポイントを積極的に狙うためには、資金管理が非常に重要です。特に長期保有を意識したスワップトレードでは、証拠金維持率を適切にキープすることが欠かせません。
証拠金維持率とは、有効証拠金を必要証拠金で割った割合で、これが一定の水準を下回ると追証や強制ロスカットが発生します。
例えば、資金が100万円で必要証拠金が10万円の場合、証拠金維持率は1000%となります。国内の証券会社では一般に証拠金維持率が100%前後で管理されており、この基準を下回るとリスク管理の対象となるケースが多いでしょう。
また、日本円を含む通貨ペアの場合、買い注文と売り注文によってスワップポイントが異なるため、為替の動きによって証拠金維持率も変動します。そのため、十分な資金余裕を持っておくことで、市場の変動に対応しやすくなります。
長期的な値動きを予想する
長期的なスワップポイントを目指す取引では、短期的な通貨の変動ではなく、将来の長期的な値動きを見据えることが大切です。取引を実行する際には、市場の長期的な見通しが重要な判断基準となります。
このような長期的な予測を行う際には、MT4やMT5、TradingViewなどの高度な分析ツールが役立ちます。これらのツールを活用することで、日足や週足のチャートを基にして長期の値動きを予測し、戦略を立てやすいでしょう。また、これらのツールにはさまざまなインジケーターやテクニカルツールが備わっているため、テクニカル分析においても役立ちます。
長期的な取引を検討する際には、許容できる損失額と自己資金がどれだけの価格変動に耐えられるかを事前に計算し、リスク管理を徹底することが欠かせません。
短期取引でも利益確定しておく
スワップトレードの基本は長期的なポジションを保有することですが、単発の取引でも市場の動向を敏感に捉え、適切なタイミングで利益確定を行うと、取引全体の収益性が高まりやすくなります。
長期保有しているポジションに加えて、市場の瞬発的な動きを活かして利益を積み重ねることで、最終的にプラスの収支を確保できる、といった考え方です。
特に、日本円絡みの通貨ペアでは、プラスのスワップポイントが買い注文に対応しています。このため、市場が下落するトレンドであれば、その下げ相場で売り注文を行うことで、証拠金維持率の低下を防ぎつつ、市場が反転した際には利益を確保しやすいでしょう。
このように、短期取引での利益確定もスワップトレードにおいて重要な戦略の一つです。
スワップポイントの変動はまめにチェックする
スワップポイントの変動を常に把握することは、スワップトレードにおいて欠かせません。取引を開始したら、毎日のスワップポイントの金額とそのプラス・マイナスの動向をチェックする習慣をつけましょう。
多くの大手FX業者が提供するスワップカレンダーでは、日々のスワップポイントが示されています。このようなカレンダーを活用することで、スワップポイントの金額がどのように変動しているかを把握できます。
スワップポイントがプラスからマイナスに転じた場合、ポジションを保有し続けることで損失が生じる可能性があります。そのため、定期的にスワップポイントの動向を確認し、適宜ポジションの見直しを行うことが大切です。
また、為替市場の特性として、土日は為替相場が休みとなるため、スワップポイントは平日に計算される点も押さえておきましょう。
低いレバレッジで運用する
スワップポイントを運用する際には、レバレッジ倍率を低めに設定することが重要です。レバレッジは投資に必要な証拠金を抑える仕組みであり、高い倍率を設定すると少ない証拠金で大きな取引が可能になりますが、その分強制ロスカットされるリスクも増加します。
スワップトレードでは長期保有を前提としているため、安全性を考慮してレバレッジ倍率を低く設定するのがおすすめです。低いレバレッジを選ぶことで、市場の大きな変動に対するリスクを最小限に抑えつつ、安定したポジションを保ちやすいでしょう。
特に「メキシコペソ円」「トルコリラ円」「南アフリカランド円」などの通貨ペアは、1通貨あたりの価格が比較的安価であり、レバレッジを落としても多くの注文を出しやすいことが特徴です。
このように、適切なレバレッジ倍率を選択することで、リスク管理をしっかりと行いながらもスワップポイントを効果的に活用して利益を狙っていけるでしょう。
まとめ
今回は、FXにおける業者別のスワップポイントの比較やおすすめの通貨ペア、スワップポイントで稼ぐためのコツについて解説しました。スワップポイントは日々変動するため、スワップポイントで利益を積み上げたい方は毎日金額を確認し、市場の状況をよく観察することが欠かせません。
記事で紹介したおすすめの通貨ペアを参考にしながら、無理なくスワップポイントを積み上げられるようにしてみてください。