FX取引で板情報を活用するコツとは?見方や具体的なトレード方法を解説

FX取引で板情報を活用するコツとは?見方や具体的なトレード方法を解説
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「FX取引における板情報とはなんなのか知りたい」「板情報の見方がわからないので教えて欲しい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。板情報は、リアルタイムで市場の注文状況を把握するための重要なツールであり、取引のタイミングを見極めるのに役立ちます。

今回は、FXにおける板情報の基本的な見方や活用方法について詳しく解説します。より戦略的にFX取引を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

FXにおける板情報とは?

FXにおける「板情報」とは、市場における特定の価格にどれだけの取引注文が存在するかを示す情報です。トレーダーは板情報から市場の流動性や価格の支持・抵抗レベルを把握し、取引戦略を構築する際の参考にします。

ただし、FX市場では株式市場と異なり、個別の取引所の板情報を直接確認することはできません。代わりに、チャートやFX業者が提供するデータを通じて、業者内での注文状況を把握しますが、これはあくまで業者の中での注文データであるため、参考程度に留めるべきです。

FXにおける板情報の見方

FXにおける板情報の見方は、一般的に価格を中心にして左右に注文状況を示す棒グラフを用いています。

価格帯は現在の市場価格を中心にして、その上下に配置され、左側には売り注文量、右側には買い注文量がそれぞれの価格水準ごとに表示されます。これらの注文量は、他のトレーダーが入力した指値や逆指値の注文の合計を示しています。

この情報を活用することで、市場の流動性や価格のサポート・レジスタンスレベルを把握し、取引戦略を適切に調整しやすくなるでしょう。

板情報を活用するメリット

FXの板情報を活用するメリットは、以下の2点が挙げられます。

  • スリッページの有無を確認できる
  • 価格の動向を把握できる

まず、板情報を見ることでスリッページの有無を確認できます。スリッページとは注文価格と実際の約定価格の差であり、板情報を通じてどの程度の注文量ならスリッページを起こさずに取引できるかを把握できるものです。これにより、トレーダーは取引の際に生じる可能性のあるコストを事前に計算し、リスク管理をしやすくなるでしょう。

また、価格の動向を把握できることも板情報の利点です。買いと売りの注文量のバランスから市場の流動性や価格の動きを推測できるため、市場の方向性を見極める手助けとなります。例えば、買い注文が売り注文よりも多い場合、市場は買い方向に進む可能性が高くなります。これにより、トレーダーはより正確なエントリーポイントを見極めやすくなることが期待できます。

注文情報の基本的な見方を確認しておこう

FXの取引において、板情報と注文情報は同じ板情報として扱われることがありますが、それぞれ把握できる情報が異なります。ここでは、注文情報の見方について簡単に解説します。

注文情報とは、FX業者が保有する顧客の注文状況を示すツールであり、主に以下の二種類があります。

  • オープンオーダー:指値注文や逆指値注文の数量が価格帯ごとに表示され、市場における重要な価格のポイントを把握しやすい
  • オープンポジション:トレーダーが保有するポジションの価格帯と、それぞれのポジションが含み益または含み損をどれだけ抱えているかを示す

以下より、FXの板情報として利用されることの多い、オープンオーダーにおける注文情報の見方を紹介します。

売り買いのいずれの方向にも指値注文が並んでいる場合

売り買いどちらの方向にも厚い指値注文が見られる場合、市場はレンジ相場の可能性が高いことを示唆しています。これは、現在の市場価格を中心にして、売りと買いの両方向で多くの注文が集中していることを意味します。

トレーダーにとって、このような状況は価格が一定の範囲内で動きやすく、値動きの読みやすい相場環境が形成されていることを示唆します。売り注文が価格の上方に、買い注文が下方に多く溜まっている場合は、その範囲での価格の振れ幅が予測しやすいでしょう。

この場合、トレーダーは売りの指値注文が多い価格帯で売りを、買いの指値注文が多い価格帯で買い戻しを行うことで、比較的安全に取引を進めることができます。レンジ相場では、サポートとレジスタンスのラインを確認しながら、適切なエントリーポイントを見極めることが重要です。

売り買いの一方に指値注文が並んでいる場合

売り買いのどちらか一方に厚い指値注文が見られる場合、市場参加者はその価格水準での押し目買いや戻り売りを狙ってると判断できます。

例えば、上昇トレンドが形成されている場合、現在の価格よりも下の価格帯に多くの買い指値注文が溜まっていると、市場参加者が特定の価格帯でのトレードを狙っていることを示唆します。

このとき、トレーダーは自身のトレード戦略に合わせて、指値注文が厚めに溜まっている価格帯でのエントリーポイントを見極めることが重要です。これにより、市場の動向や心理を理解し、より安全かつ効果的な取引を行えるでしょう。

売り買いの一方に逆指値注文が並んでいる場合

売り買いのどちらか一方に逆指値注文(ストップ注文)が多く溜まっている場合、市場参加者はその価格水準での価格の動きを警戒します。これは、多くのトレーダーがその価格での価格の上昇または下落を予測し、それに対する損切りや利確の意思表示を行っていることを示しています。

逆指値注文は、トレーダーがポジションを保有している場合に、逆方向の価格動向に対する保護策として設定されます。例えば、上昇トレンド中に価格が一時的に下落した際には、多くの買いポジションがその価格での損失を最小限に抑えるための逆指値注文を置いています。

トレーダーはこれらの情報を活用して、市場心理や動向を読み取り、適切な取引戦略を構築することが重要です。逆指値注文が溜まっている場所は、トレード計画の一環として損切りや利確の基準として考慮されることが多いため、市場参加者にとって重要な情報源となります。

指値注文と逆指値注文が同じくらい並んでいる場合

指値注文と逆指値注文が同水準の厚さで一つの価格に溜まっている場合、それは市場がもみ合い状態にあることを示しています。市場参加者の間で、その価格水準での価格の動きが不確定であると認識されています。

もみ合い相場では、価格が上昇するか下落するかの方向性が明確でないため、トレードリスクが高まります。このような場面では、市場参加者は価格の方向性が確認されるまで待機することが推奨されます。

トレーダーはこの情報を活用して、市場の心理や動向を理解し、適切なタイミングでの取引を検討することが重要です。価格の動きが方向性を示すまでは、相場を静観することが安全で効果的な取引戦略といえるでしょう。

FXで板情報を使い効果的なトレードをする方法

FXで板情報を使い効果的なトレードをする方法として、以下の2つがあります。

  • 相場の方向性を予測する
  • 相場が反発する可能性を予測する

それぞれについて解説します。

相場の方向性を予測する

板情報を利用して相場の方向性を予測するためには、買いと売りの注文量のバランスを確認することが重要です。買い注文が多い場合は買い圧力が高まり、相場が上昇する可能性が高いと見込まれます。逆に、売り注文が多ければ売り圧力が強まり、相場は下落する可能性があるでしょう。

例えば、板情報で売りの注文量が買いのそれよりも多い場合、市場は売り圧力が支配的であり、相場が下落する傾向にあることが示唆されます。このような状況では、買いエントリーはリスクが高いと判断されます。

また、相場の方向性を予測する際には、板情報だけでなく、市場全体のトレンドやテクニカル分析も組み合わせると効果的です。板情報は現在の市場の流れや参加者の心理状態を反映しているため、情報を正しく解釈することで効果的なトレードのタイミングを見極められるでしょう。

相場が反発する可能性を予測する

相場が反発する可能性を予測するためには、板情報で注文が集中している価格帯を把握することが重要です。特定の価格帯に注文が集まっている場合、その価格での取引が活発になり、相場の動きが停滞したり、逆方向に動いたりする可能性が高くなります。

例えば、売り注文が多く溜まっている価格帯では、為替レートが上昇してその売り注文が約定されると、価格の上昇が一時停止し、下落トレンドに転じる可能性が高いです。逆に、買い注文が集中している価格帯では、価格が下がりきって買い注文が約定されることで、価格が下げ止まり上昇トレンドに転じることが考えられます。

板情報で注文が集中する価格帯は、市場参加者の注目するポイントであり、相場が反発するポイントとして重要な役割を果たします。

FXで板情報を活用する際に気をつけたいポイント

ここでは、FXで板情報を活用する際に気をつけたいポイントとして以下の3つを紹介します。

  • 成行注文の状況は反映されない
  • 把握できるのはあくまで各業者の注文状況である
  • 板情報を公開している業者は少ない

それぞれについて解説します。

成行注文の状況は反映されない

FXの板情報を活用する際に注意すべきポイントの一つは、成行注文の状況が板情報に反映されないことです。成行注文は市場価格で即座に約定される注文であり、価格指定がないため板情報には反映されません。

板情報は、主に指値注文や逆指値注文(ストップ注文)の状況を示しており、これらの注文がどの価格帯にどれだけ溜まっているかを表示します。一方で、成行注文は市場で即時に成立するため、その数量や価格は特定の価格帯に集中して表示されることはありません。

板情報のみで得られる情報を頼りにしていると、特に市場が急激に動いた場合や重要な経済指標が発表された際には、成行注文が大きな影響を与えることがあります。そのため、板情報だけで相場の全体像を把握しようとするのではなく、市場の流動性や注文の実行可能性を考慮する必要があります。

把握できるのはあくまで各業者の注文状況である

FXの板情報を活用する際に注意すべきポイントの一つとして、把握できるのは各FX業者の注文状況に限られることがあります。板情報は各業者が提供する情報であり、異なる業者間で表示される注文量や価格帯が異なる場合も珍しくありません。

例えば、一つの業者の板情報では特定の価格帯に多くの売り注文が見える場合でも、他の業者の板情報では同じ価格帯に多くの買い注文が見えることがあります。これは、各業者が異なる顧客の注文を基に板情報を提供しているためです。

したがって、トレーダーが板情報を分析する際には、自身が利用しているFX業者の板情報に基づいて判断するほか、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などの分析方法を組み合わせ、広い視点で分析することが欠かせません。

板情報を公開している業者は少ない

FX市場において、板情報を公開している業者は少ない点に注意が必要です。板情報は各価格帯における買いと売りの注文量を示す情報であり、これに基づいて市場の流れや価格の動向を予測できますが、全てのFX業者がこの情報を提供しているわけではありません。

板情報を提供しているのは、主に一部の大手FX業者やプラットフォーム(MT5など)であり。小規模な業者や新興のFXブローカーでは、板情報が提供されていない場合も多いです。

そのため、板情報を活用したトレードを行いたい場合は、自身が利用しているFX業者が板情報を提供しているかどうかを確認する必要があります。また、板情報が提供されていない場合でも、他の市場情報やテクニカル分析を用いてトレード戦略を構築することで精度の高いトレードを実現できるでしょう。

まとめ

今回は、FXにおける板情報とは何を指すのか、どのように活用するのかについて解説しました。板情報からは、市場における特定の価格にどれだけの取引注文が存在するかを読み取れるため、市場の流動性や価格の支持・抵抗レベルを読み解き、取引戦略に生かすことがポイントです。

ただし、板情報には、成行注文の状況は反映されない、データが各業者の注文状況に限られる、板情報を公開している業者は少ないといった注意点も存在します。そのため、板情報のみを見て相場を判断するのではなく、他の分析手法と組み合わせながら活用することが欠かせません。

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この記事を書いた人

みわのアバター みわ 奇跡のおこもりトレーダー

50歳、地方暮らしのシングルマザーで、息子2人、犬4匹、鳥7羽、夫0人で家にこもって生活してます。生活資金が底をつく超貧乏生活から、7年前に、“自宅での稼ぎ方”に出会って脱出しました。

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