「FX取引で破産するリスクが心配」「損失が膨らんで困っている」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
FXでの破産を避けるためには、リスク管理や適切な戦略の見直しが欠かせません。
今回は、FX取引における破産の原因や、リスクを最小限に抑えるための対策について詳しく解説します。
「破産のリスクを理解し、対策を講じたいと思っている」「安全に取引を続けるための具体的な方法を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
FXで破産してしまう主な理由3選
FXで破産してしまう主な理由として、以下の3つが挙げられます。
- レバレッジのかけすぎ
- 急な価格変動による証拠金維持率の不足
- 損失を取り戻そうとする感情的な取引
それぞれについて解説します。
レバレッジのかけすぎ
FX取引の特徴の一つに、証拠金を元に資金の何倍もの取引が可能になる「レバレッジ」があります。この仕組みにより、少ない資金で大きなリターンを狙える反面、リスクも大きくなります。
高レバレッジで取引を行うと、相場の変動により損失が膨らむ可能性があり、最終的には証拠金を超えて負債を抱えてしまうケースは少なくありません。
結果として、取引が失敗した場合の経済的な打撃が非常に大きくなり、破産のリスクが高まります。
急な価格変動による証拠金維持率の不足
FX取引では、損失が一定水準に達すると自動的に決済される「強制ロスカット」が設けられています。しかし、急激な価格変動が発生すると、強制ロスカットのシステムが対応しきれず、証拠金維持率が急落することがあります。
証拠金維持率が100%未満になると、決済時に損失が発生し、0%未満になると証拠金がマイナスになってしまいます。
急激な価格変動に備えるためには、証拠金に余裕を持たせ、常にリスク管理を徹底することが重要です。
損失を取り戻そうとする感情的な取引
FX取引で損失が出た際、その損失を取り戻そうと感情的に取引を重ねる人は少なくありません。これは「損失を確定したくない」という心理が影響しています。
この心理的なバイアスは「プロスペクト理論」と呼ばれ、ギャンブルや投資で破産する要因の一つとされています。例えば、損失を回収しようと焦るあまり、次の取引を急いで行った場合、運良く取り返せることもありますが、失敗を繰り返してさらに損失を拡大するリスクもあります。
破産を防ぐためには、感情に左右されず冷静な判断を保つことが重要です。
FXで借金を抱えてしまいやすい人の特徴4選
FXで借金を抱えてしまいやすい人の特徴として、以下の4つが挙げられます。
- 初心者のうちから大きな利益を狙いすぎている
- 感情的なトレードばかりしている
- 運良く利益が増えただけでトレードスキルが身についていない
- ギャンブル好きである
それぞれについて解説します。
初心者のうちから大きな利益を狙いすぎている
FX取引を始めたばかりの初心者が大きな利益を追い求めると、予想の精度が低くなりがちです。経験や知識が不足しているため、リスク管理が不十分になり、結果として大きな損失を招くことも少なくありません。
特に、高い利益を狙って投資資金を増やしたり、大きなレバレッジをかけたりする場合は注意が必要です。成功すれば利益は大きkなりますがですが、失敗した場合の損失も同様に膨らむリスクがあります。
ハイリターンを追い求めることはハイリスクにもつながるため、初心者のうちはリスクに見合った少額取引から始め、経験を積むことが重要です。
感情的なトレードばかりしている
感情に左右されやすいトレーダーは、少しの損失で焦りや苛立ちが強くなり、無理な取引を続けがちです。こうした感情的な取引は、冷静な判断を欠き、結果として借金を抱えるリスクが高まります。
FXで安定した利益を上げるためには、長期的な視点を持ち、冷静な判断力が求められます。
感情的なトレーダーは、相場の現状よりも自分の感情に流され、利益が出る方向への反転を過剰に期待してしまう傾向があります。そのため、トレードルールを明確化して常に冷静な判断ができるよう、経験を重ねることが大切です。
運良く利益が増えただけでトレードスキルが身についていない
運良く利益を上げると、トレードスキルが実際には未熟でも、自分の能力に自信を持ちすぎてしまうことがあります。これにより、勉強や情報収集を怠り、安易な取引を続ける傾向が見られます。
初心者には特に多いこのケースですが、借金を抱えるリスクが高いため注意が必要です。金融先物取引業協会の調査によると、FX取引を行った60.3%の人が利益を上げており、知識が乏しい初心者でも利益を出せることが示されています。
一度の成功で調子に乗り、スキルを磨かずに取引を続けると予期せぬ損失に直面し、借金を抱える危険性があるため注意が必要です。
ギャンブル好きである
パチンコや競馬などのギャンブルに興味を持つ人は、損失を取り返そうと焦ったり、少額の資金で高リターンを狙ってスリルを求めたりする傾向があります。これはFX取引においても同様に影響しやすいです。
ギャンブル好きの人はリスクの高い取引を繰り返してしまうことが多く、結果として借金を抱える可能性が高くなります。
厚生労働省の調査によれば、ギャンブル依存症の人々は借金を抱えやすいことが明らかにされています。該当する方はFXでも同じように感情的な取引や無謀なリスクを取る傾向があるため、注意が必要です。
FXで破産を防ぐためのポイント5選
FXで破産を防ぐためのポイントとして、次の5つが挙げられます。
- 必ず余剰資金で取り組む
- デモトレードで練習する
- レバレッジをかけすぎない
- 根拠に基づいたトレードをする
- 損切りルールを明確にする
それぞれのポイントを確認し、安全にトレードすることを心がけましょう。
必ず余剰資金で取り組む
FX取引を行う際には、必ず余剰資金で取り組むことが欠かせません。余剰資金とは、生活費や急な出費に影響を与えない、余裕のある資金のことです。
これにより、万が一の損失が発生しても、生活に支障をきたすことなく、冷静な判断がしやすくなります。なぜなら、生活資金や貯蓄を投入してしまうと、取引がうまくいかない場合に精神的な負担が大きくなり、無理な取引をしてしまう恐れがあるからです。
さらに、予想外の損失が続くと取り返そうと焦りが生じ、リスクを過剰に取ってしまうリスクも高まります。余剰資金を使って取引を行うことで、計画的かつ冷静に対処できるため、安定した取引を心がけましょう。
デモトレードで練習する
FX取引を始める前に、デモトレードで練習することは非常に重要です。デモトレードは、実際の資金を使わずに仮想の資金で取引を行えるため、リスクを負わずに取引の感覚を掴めます。
これにより、市場の動きや取引の手順を学び、自分のトレードスタイルを確立するための準備を整えましょう。デモトレードを通じて、損益計算や注文のタイミング、リスク管理の方法を体験することで、実際の取引に移行した際により自信を持って臨めます。
また、デモトレードは、取引戦略をテストし、改善点を見つけるための貴重な機会となります。リアルマネーでの取引を始める前に、デモトレードで十分に練習し、実力を身につけることが欠かせません。
レバレッジをかけすぎない
FX取引において、レバレッジを活用することで少ない資金で大きな取引が可能になりますが、過剰なレバレッジは大きなリスクを伴います。レバレッジをかけすぎると、相場の小さな変動でも損失が膨らむ可能性があり、結果として大きな負担を負うことになりかねません。
特に初心者は、レバレッジの使い方に不慣れなことが多いため、慎重な対応が必要です。高レバレッジの取引では大きな利益を狙うのではなく、自分のリスク許容度に見合ったレバレッジ設定を心がけましょう。安全な取引のためには、適切なレバレッジを選択し、リスク管理を徹底することが重要です。
根拠に基づいたトレードをする
FX取引を成功させるには、根拠に基づいたトレードが欠かせません。感情や直感だけで取引を行うと、リスクを伴う決断が増え、損失を招く可能性があります。
根拠に基づいたトレードとは、市場分析やテクニカル指標、ファンダメンタルズ分析などの情報を基に、計画的に取引を行うことです。具体的には、チャートのパターンや経済指標の発表など、実績のあるデータを参照して判断を下すことが欠かせません。
予測を立てる際には、複数の情報源を比較し、信頼性の高いデータを基に決定を行うことが大切です。また、トレード戦略を事前に設定し、実際の取引がその戦略に従っているかを常に確認することも、FXで利益を増やす上で欠かせません。
損切りルールを明確にする
FX取引において、損切りルールを明確にすることは、資産を守るために非常に重要です。
損切りとは、一定の損失が発生した時点で取引を自動的に終了し、さらなる損失を防ぐための戦略です。事前に損切りの基準を設定し、それを厳守することで、予想外の市場変動による大きな損失を回避できます。
具体的には、取引前に損切りのポイントを決定し、そのレベルに達した場合には即座にポジションをクローズすることが基本です。損切りルールを定めることで、感情に左右されず冷静に取引を続けることができ、トレードの一貫性を保ちやすくなるでしょう。
FXで作った負債は自己破産できないって本当?
最後に、FXで作ってしまった負債を自己破産したい方向けに、自己破産できるのかどうか、自己破産できない場合はどうすべきかについて解説します。
FXによる借金は「免責不許可事由」として見なされる
FX取引によって作った負債は「免責不許可事由」として扱われます。
免責不許可事由とは、自己破産の申請があった場合に、特定の理由により借金の免除が認められない要件です。具体的には、破産法により次のような行為が該当します。
例えば、借金を返済しないために財産を隠す行為や、特定の債権者に偏って返済する行為が含まれます。また、クレジットカードで商品を購入し、それを換金する行為や、ギャンブルや投資、不要なショッピングによる浪費も該当します。
FX取引による借金は、この浪費行為に含まれると見なされるため、自己破産を申請しても全額免責が認められない可能性が高いです。
「免責不許可事由」に該当する借金が免責として認められるケース
「免責不許可事由」に該当する借金でも、裁判所の裁量によって免責が認められる場合があります。これを「裁量免責」と呼びます。
自己破産制度の目的は、借金の返済が困難な人を支援することであり、免責不許可事由があるからといって全ての免責申請を拒否することは、制度の本来の目的に反するためです。
FX取引によって生じた借金でも、裁判所がその事情を考慮し、免責を認めることがほとんどです。ただし、免責不許可事由に該当すると、手続きが複雑で時間がかかる「管財事件」として扱われることが多くなります。そのため、自己破産を申請する場合には、FX取引を中止し、反省の態度を示すことが重要です。
FXで作った借金を自己破産できない場合はどうなる?
自己破産が認められない場合は、他の債務整理手続を検討しましょう。自己破産以外の主な債務整理方法には「個人再生」と「任意整理」があります。
これらの方法を利用することで、自己破産が不可能な場合でも、債務の軽減や整理が可能です。各手続きの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てることで、借金を最大で5分の1から10分の1まで圧縮し、原則として3年以内に返済する計画を立てる手続きです。
この方法は、自己破産とは異なり、免責不許可事由に該当していても手続きが可能です。また、裁判所によって財産を処分されることはないため、家などの重要な財産を保つことができます。
任意整理
任意整理は、債権者との交渉により、将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらう手続きです。裁判所を通さないため、書類作成や手続きが比較的簡単で、時間や手間が少なく済みます。
ただし、元金自体を減らすことはできず、カットできるのは利息と遅延損害金のみです。利息のカットによって返済の目処が立つ方には、任意整理が適しているといえます。
まとめ
今回は、FXで破産してしまう主な理由や破産を防ぐためのポイント、もし破産を考える際の手続きについて解説しました。
FXはレバレッジを活用して大きな利益を狙える投資方法ですが、自己資金に合わないトレードや感情的なトレードを続けていると、マイナス額が膨れ上がってしまう可能性があります。
FXに取り組む際は資金管理を徹底し、必ず余裕資金の範囲内で取引することを意識しましょう。