FXのスイングトレードとは？メリット・デメリットや取引のコツを解説

「FXで利益を追求したいけれど、忙しくて毎日取引する時間がない」「中長期的に安定した収益を上げたい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

効率的なトレードを実現する方法の一つに、スイングトレードという手法を活用し、市場の大きな動きを捉える考え方があります。

今回は、FXのスイングトレードの基本や、その具体的な戦略について詳しく解説します。「効率よく利益を伸ばしていきたい」「中長期的に安定した収益を得たい」という方は、ぜひ参考にしてください。

スイングトレードとは？

まずは、スイングトレードについてトレード方法の概要や他のトレード方法との違いを確認しましょう。

トレード方法の概要

スイングトレードは、数日から数週間にわたってポジションを保有し、価格の中期的な変動を利用する手法です。この取引方法では、短期的な相場の動きに左右されず、比較的安定したトレンドを捉えられます。

チャート分析を駆使し、トレンドの方向性を見極めることで、値動きの傾向を把握しやすくなるでしょう。

スイングトレードでは、主に「順張り取引」を行い、上昇トレンド時に「買い」、下降トレンド時に「売り」を選択することで利益を狙います。スイングトレードは短期取引のように頻繁な売買を必要とせず、中長期的な視点で利益を追求するのが特徴です。

他のトレード方法との違い

スイングトレードのほかに、スキャルピング、デイトレード、ポジショントレードといったトレード方法があります。

スキャルピングは、数秒から数分で取引を完了し、少ない利益を積み重ねる手法です。短期間で頻繁に取引するため、相場の急変に素早く対応できる一方、スプレッドの影響や取引ミスのリスクがあります。

デイトレードは、数十分から1日の間にポジションを保有し、日を跨ぐことなく取引を完了する手法です。これにより、夜間の急激な相場変動からリスクを回避できますが、一日のうちに複数回取引を行うため、短期的な市場変動に対する判断力が求められます。

ポジショントレードは、数週間から1年以上の長期的な取引を行う方法で、スイングトレードよりもさらに長期間の保有が特徴です。長期的な視点で市場を見守るため、短期的な値動きに振り回されずに取引できますが、決済までの期間が長いため、流動性やタイミングの選択に注意が必要な手法といえます。

スイングトレードのメリット

スイングトレードのメリットとして、以下の3点が挙げられます。

それぞれについて解説します。

トレードが成功した時に得られる利益が大きい

スイングトレードでは、数日から数週間にわたりポジションを保有することで、価格の中期的な変動を捉えられます。

このアプローチの最大のメリットの一つは、成功した場合に得られる利益の大きさです。短期的な市場の変動を無視し、トレンドに従うことで、比較的大きな価格の動きを享受できます。

これにより、スキャルピングやデイトレードと比べて、トレード一回あたりの利益が大きくなる傾向があります。また、スイングトレードは取引頻度が少なく、時間的な余裕もあるため、比較的安定した利益を追求できる点も魅力です。

取引コストが安い

スイングトレードのもう一つの大きなメリットは、取引コストの低さです。スイングトレードは、ポジションを数日から数週間保有するため、取引回数が比較的少なくなります。

このため、スキャルピングやデイトレードに比べて、頻繁に発生する取引手数料やスプレッドコストを抑えられます。取引コストが少なくなることで、利益の一部がコストによって削られるリスクを軽減でき、全体的な収益性が向上しやすいでしょう。

また、長期的にポジションを保有することで、市場の変動をじっくりと捉えられるため、コスト対効果の高い取引が可能です。これにより、トレードを行う際の経済的負担が軽減され、より効率的な投資が実現します。

忙しい人でも取り組みやすい

スイングトレードは、忙しい人にも適した取引方法です。ポジションを数日から数週間にわたって保有するため、頻繁な取引やリアルタイムでの監視が必要ありません。

これにより、日中に仕事や他の活動が多い人でも、比較的少ない時間で取引を管理できます。チャートの分析やトレードの決定は、時間があるときに行い、取引は数回の確認で済むため、生活の中に自然に組み込むことが可能です。

また、スイングトレードは長期的なトレンドを利用するため、市場の短期的な動きに一喜一憂する必要がなく、安定した投資を継続しやすいでしょう。忙しい日常の合間に、計画的に取り組むことができるのが大きな魅力です。

スイングトレードのデメリット

スイングトレードのデメリットとして、以下の3点が挙げられます。

それぞれについて解説します。

利益を得るのに時間がかかる

スイングトレードのデメリットの一つは、利益を得るまでに時間がかかる点です。スイングトレードでは、ポジションを数日から数週間保有するため、短期間での利益確定は難しい場合があります。

価格の中期的な変動を捉えようとするため、トレンドが形成されるまでの時間を待たなければならず、短期的な利益を得ることは難しいです。このため、急いで利益を上げたい投資家には向かないことがあります。

さらに、トレンドの予測が外れると、保有期間中に逆行する可能性もあり、その場合は利益を得るどころか損失を被るリスクもあります。成功するには、長期的な視点と忍耐力が必要です。

損切りの判断が難しい

スイングトレードでは、損切りの判断が難しいデメリットがあります。ポジションを数日から数週間保有するため、市場の変動に対して柔軟に対応する必要があるでしょう。

トレンドが逆行した場合、損失を最小限に抑えるために適切なタイミングで損切りを行わなければなりません。しかし、保有期間が長いと、どのタイミングで損切りするかを決定するのが難しく、損失を拡大させてしまうリスクがあります。

市場の動きやトレンドの変化を正確に予測する必要があり、判断を誤ると大きな損失を招いてしまいかねません。また、損切りを遅らせることで結果的に損失が膨らむこともあるため、冷静かつ迅速な判断が求められます。

価格変動に対応しにくい

スイングトレードは、価格変動に対して対応しにくいというデメリットがあります。ポジションを数日から数週間保有するため、市場の急激な変動や予期しないニュースに即座に対応するのが難しいかもしれません。

短期的な変動には対応できないため、トレンドが逆行した際の影響を受けやすく、価格が大きく変動することがあると、計画していた利益を失うリスクがあります。また、スイングトレードでは、価格の動きを長期間にわたって見守るため、急な市場変動に対して迅速に対処できず、結果的に損失が拡大する可能性もあります。

このため、市場の動きに常に注意を払い、慎重に対応する必要があります。ただし、完全な対応は難しいことが多いため、あらかじめリスク許容度を決めておくと安心です。

FXでスイングトレードを始める前に確認しておくこと

FXでスイングトレードを始める前には、以下4つのポイントを確認しておきましょう。

それぞれについて解説します。

中長期足のトレンド

スイングトレードを始める際には、中長期の時間足でトレンドを把握することが重要です。スイングトレードでは、月足、週足、日足などの長期的な時間軸を分析し、大きなトレンドの方向性を理解しましょう。これにより、全体的な市場の流れを捉え、長期的なトレンドに基づいた取引が可能になります。

その後、中長期トレンドを確認したら、4時間足や1時間足といった短期的な時間軸に移り、エントリータイミングを見極めます。中長期のトレンドの中で、押し目や戻りのタイミング、またはブレイクアウトの機会を短期的に探ることで、より有利なエントリーポイントを見つけやすくなります。

このアプローチによって、トレンドの流れに乗りながらも、効率的に利益を狙いやすいでしょう。

通貨ペア

スイングトレードでは、大きなトレンドを狙うために通貨ペアの選定が重要です。特定の通貨ペアに絞ってトレンドを待つ方法もありますが、トレンド形成には時間がかかることが多いです。したがって、複数の通貨ペアを監視し、トレンドが出る可能性の高いものを見つけることが推奨されます。

一般的に、大きなトレンドが形成される場合には、金融政策の変更や地政学リスクといったファンダメンタルズ要因が影響することが多いです。そのため、ファンダメンタルズ分析を行いながら、市場の変動要因に応じた通貨ペアを選定することが欠かせません。

これにより、トレンドの発生をいち早く捉え、有利な取引を行うことが可能になります。

レバレッジ

スイングトレードを行う際には、低レバレッジでの運用がおすすめです。スイングトレードでは、大きなトレンドを狙うためにポジションを長期間保有することが多いですが、その過程で相場の逆行（押し目や戻り）が発生する可能性があります。

逆行時には損切りを余儀なくされる可能性があるため、証拠金に対してポジションを過剰に持たないよう注意が必要です。

国内FXでは最大25倍のレバレッジを利用できますが、スイングトレードでは5倍から10倍程度の低レバレッジで運用するのが一般的です。これにより、相場の変動に対して余裕を持ち、損失を最小限に抑えられます。

低レバレッジであれば、トレンドの逆行に対しても冷静に対応しやすく、長期的な安定した取引が可能となるでしょう。

損失許容額

スイングトレードを行う際には、大きな損失を避けるために損失許容額を事前に決めることが重要です。トレードを開始する前に、どれだけの損失を許容できるかを明確にし、その金額に基づいて損切り幅と取引数量を調整しましょう。

損失許容額が決まったら、その範囲内で損切り幅と取引数量を調整します。例えば、損切り幅を広く設定する場合は、取引数量を少なめにすることで、リスクをコントロールできます。

逆に、取引数量を増やしたい場合は、損切り幅を狭く設定することになります。このように、損失許容額に合わせて戦略を調整することで、リスクを管理しながら安定した取引を実現しやすいでしょう。

FXのスイングトレードで勝つための5つのコツ

FXのスイングトレードで勝つためには、以下5つのコツを意識することが大切です。

まず、メジャーな通貨ペアを選ぶと、流動性が高くスプレッドが狭いため、取引がしやすくなります。次に、ファンダメンタルズ分析を行い、経済指標や政策の変化を把握することで、トレンドの発生要因を理解できます。

また、取引量の調整も大切です。ポジションサイズが大きすぎると損失が膨らむ可能性があるため、適切なロットサイズを設定しましょう。

最後に、証拠金維持率を250%以上に保つことで、急な価格変動による強制ロスカットのリスクを抑えられ、安定した資金管理を実現しやすいです。これらのコツを実践し、スイングトレードの成功に向けて取り組みましょう。

まとめ

今回は、FXのスイングトレードについて、取引方法の概要やメリット・デメリットについて解説しました。スイングトレードは長期間にわたって取引する手法であり、トレードが成功した時に得られる利益が大きい、取引コストが安い、忙しい人でも取り組みやすいといったメリットがあります。

ただし、必ずしも利益を確定できるとは限らないため、常に市場の動向を確認しながら、適切なトレンドの見極めや通貨ペア選びなどを心がけましょう。

記事で紹介した内容を参考に、スイングトレードで利益を増やせるようにFXに取り組んでみてはいかがでしょうか。