FXにおけるOCO注文とは？メリット・デメリットや注意点を解説

2024年9月21日

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「OCO注文の仕組みが分からない」「OCO注文の使い方がよく分からない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

OCO注文を効果的に利用するには、注文方法の仕組みと特徴を理解し、戦略的に活用することが欠かせません。

今回は、OCO注文の基本的な概念や、実際のトレードでの活用方法について詳しく解説します。

「OCO注文の基礎を理解したい」「OCO注文をFX戦略に活用していきたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

FXにおけるOCO注文とは、指値注文と逆指値注文を同時にできる注文方法

OCO注文とは、FXにおいて指値注文と逆指値注文を同時に設定できる便利な注文方法です。OCOは「One Cancels the Other」の略で、2つの注文のうち一方が約定すると、もう一方が自動的にキャンセルされます。この注文方法は、新規注文や決済注文の両方で活用可能です。

例えば、決済注文としてOCOを使う場合、利益確定と損切りの注文を同時に設定できます。これにより、相場の変動に応じて、あらかじめ決めた価格で自動的にポジションを決済可能です。新規注文においても、指定した価格に達したら売買を行うなどの戦略を立てられ、相場の動きに合わせて柔軟に対応できます。

OCO注文を活用することで、忙しいトレーダーでも効率的にリスク管理を行えるのが大きなメリットです。

IFD注文との違い

IFD注文とOCO注文は、どちらもFX取引で便利な注文方法ですが、目的と仕組みに違いがあります。IFD注文は「If Done」の略で、新規注文と決済注文を同時に設定します。具体的には、例えば「〇〇円になったら新規で買い、その後〇〇円になったら決済する」という流れを自動で実行します。

一方、OCO注文は指値注文と逆指値注文を同時に発注し、一方が約定した場合にもう一方が自動的にキャンセルされる仕組みです。IFD注文は新規から決済まで一連の取引を管理するのに対し、OCO注文は相場の動きに応じた2つの注文を設定して、リスク管理を行うために利用されます。

IFO注文との違い

IFO注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせた高度な注文方法です。この注文では、まずIFD注文として新規注文を設定し、その注文が約定した際に、2つの決済注文（利益確定のための指値注文と、損失を限定するためのストップ注文）が自動的に有効になります。

これにより、取引開始時から利益確定と損失限定の両方を同時に管理できるため、リスク管理がさらに強化されます。

IFO注文は、新規注文とその後の決済を一括で管理する点でOCO注文と異なり、相場の動きに対して柔軟に対応しつつ、リスクを最小限に抑えた取引が可能です。

FXにおけるOCO注文のメリット

OCO注文のメリットとして、以下の2つが挙げられます。

利確と損切りを同時にできる
成立しなかった片方の注文は自動で取り消される

それぞれについて解説します。

利確と損切りを同時にできる

OCO注文を活用することで、FX取引において利益確定と損切りを同時に設定することができます。例えば、1ドル140円でドル/円の買いポジションを持っているとしましょう。この場合「141円になったら利益確定し、139円まで下がったら損切りする」といった設定が可能です。

OCO注文を利用すれば、「141円で自動的に売る指値注文」と「139円で売る逆指値注文」を同時に発注できます。

この仕組みにより、相場がどの方向に動いても、自分の予想通りにポジションを管理できるのが大きなメリットです。リスク管理がより効率的になり、取引の際のストレスを軽減しやすいでしょう。

成立しなかった片方の注文は自動で取り消される

OCO注文のメリットの一つは、利確と損切りの注文を同時に設定できる点です。OCO注文では、一方の注文が約定するともう一方の注文は自動的にキャンセルされるため、手動でのキャンセル作業が不要です。この機能により、取引後の管理が簡単になります。

また、多くのFX会社ではOCO注文の有効期限が「無期限」となっており、設定した注文が条件が整うまでは自動的に有効です。ただし、一定期間後に両方の注文を取り消したい場合は、期限を設定することもできます。

設定できる期限はFX会社によって異なるため、取引前に確認しておくと良いでしょう。

FXにおけるOCO注文のデメリット

反対に、OCO注文のデメリットとして以下の2点があります。

トレンドを逃すことがある
スリッページが発生する可能性がある

それぞれ内容を見ていきましょう。

トレンドを逃すことがある

OCO注文には、利益確定の指値注文が設定されるため、予期せぬトレンドを逃すリスクがあります。たとえば、相場が上昇トレンドにあるときに事前に設定した指値注文が発動すると、その時点でポジションが閉じられます。これにより、さらに価格が上昇する可能性を逃してしまうことがあります。

トレンドを逃さないようにするためには、トレーリングストップなどの注文方法を検討することが有効です。トレーリングストップは、相場の動きに合わせて利益を確保しつつポジションを保有し続けるための注文方法で、より柔軟にリスク管理できます。

スリッページが発生する可能性がある

OCO注文には、スリッページが発生する可能性があります。スリッページとは、注文が約定する際に、予想した価格と異なる価格で取引が行われる現象です。これは、注文がFX会社のサーバーに届くまでにわずかな時間がかかり、その間に相場が変動することで発生します。

OCO注文では、設定した価格で取引が実行されることを期待しますが、相場の状況によっては、予約した価格よりも高い（ポジティブスリッページ）または低い（ネガティブスリッページ）価格で約定することがあります。

特に、ネガティブスリッページが発生すると、予想よりも利益が少なくなったり、損失が大きくなったりする可能性があるため注意が必要です。

FXでのOCO注文のやり方

FXにおけるOCO注文のやり方について、新規注文と決済注文の2つのパターンに分けて解説します。

新規注文の場合

新規注文でOCO注文を行う方法は、以下のように進めます。

現在の価格が140円の通貨ペアで、価格が上昇した際と下降した際にそれぞれ異なる注文を設定する場合を考えてみましょう。

まず「141円まで上昇した場合に売り注文を出し、139円まで下落した場合に買い注文を出す」と設定します。このように、OCO注文では指値や逆指値の条件を同時に設定可能です。

例えば、現在の価格が140円で、141円に達した時点で売り、または139円に達した時点で買うように設定をします。

設定後、141円に達すれば売り注文が約定し、139円に達すれば買い注文が実行されます。いずれかの注文が成立すると、もう一方の注文は自動的にキャンセルされるため、効率的に取引を管理できます。

決済注文の場合

決済注文でのOCO注文は、保有しているポジションを管理する際に非常に便利です。例えば、現在の価格が155円の通貨ペアで、すでに買いポジションを持っているとします。この場合、利益確定と損切りの注文を同時に設定できます。

具体的には「157円まで上昇したら利益確定として売り注文を出し、153円まで下落したら損切りとして売り注文を出す」といった設定が可能です。この設定を行うと、価格が157円に達すれば利益を確定し、153円に達すれば損失を限定するように注文が実行されます。

いずれかの条件が満たされて注文が約定すると、もう一方の注文は自動的にキャンセルされるため、取引の管理は簡単です。この機能により、相場の変動に対して迅速かつ効果的に対応できることは大きなメリットといえます。

FXにおけるOCO注文の活用方法

FXでOCO注文を使う際は、以下のような活用方法がおすすめです。

トレンド相場を狙う
レンジ相場を狙う
レンジブレイクを狙う
決済注文に使う

それぞれについて解説します。

トレンド相場を狙う

OCO注文はトレンド相場を捉えるのに非常に効果的です。例えば、上昇トレンドが続いている場合、OCO注文を活用して「上昇相場の一時的な下落で買い注文を出す」または「価格が一定の節目を超えたらさらなる上昇を狙う」ように設定できます。

具体的には、現在の価格が120円の通貨ペアで、トレンドが上昇していると仮定します。この場合、120円で「122円まで上昇したらさらに買い増しをする指値注文」と「118円まで下落したら新規に買いを入れる逆指値注文」を設定可能です。これにより、相場が予想通りに動いた場合に最適な価格で取引できるようになります。

OCO注文は、トレンドの動きに基づいて注文を管理する際に役立つでしょう。相場の変動に対して柔軟に対応できるため、多くのFXトレーダーが利用している注文方法の一つです。

レンジ相場を狙う

レンジ相場を狙う際にも、OCO注文は有効です。レンジ相場とは、価格が一定の範囲で上下する相場のことを指します。例えば、価格が105円から110円の間で推移している場合、上限に近づいたときには「売り」、下限に近づいたときには「買い」を行うのが一般的な戦略です。

このような相場では、OCO注文を利用して「110円で売り注文」「105円で買い注文」を同時に設定することで、価格がどちらの方向に動いても利益を狙えます。

OCO注文の強みは、価格が上昇または下落しても一方の注文が約定すると、もう一方が自動的にキャンセルされる点です。

ただし「指値・指値」でのOCO注文が利用可能かどうかは、FX会社によって異なるため、事前に確認してきましょう。

レンジブレイクを狙う

レンジブレイクを狙う際にも、OCO注文は有効です。レンジ相場が続くと、あるタイミングで価格が一定の範囲を突破して上昇または下降する現象があり、これを「レンジブレイク」と呼びます。この動きを捉えるのは難しいですが、OCO注文を利用することで、確実な利益を狙いやすくなります。

レンジブレイク狙いでは、通常「逆指値・逆指値」のOCO注文が適しています。例えば、価格が107円から110円のレンジで推移しているとき、110円を超えると上昇トレンドが続く可能性が高く、100円を下回ると下降トレンドが予想される場合に、それぞれ「110円で逆指値の売り注文」と「100円で逆指値の買い注文」を設定します。

これにより、価格がレンジの境界を超えた際に自動的に注文を約定し、トレンドに応じた取引が可能です。ただし、この機能が利用できるのは一部のFX会社に限られるため、利用する前に確認しておきましょう。

決済注文に使う

ポジションを保有している状態でのOCO注文は、特に利益確定と損切りの管理に非常に役立ちます。ポジションを持ち続けると、急な相場の変動に即座に対応できないことがあります。そのため、事前にOCO注文を設定することで、リスクを最小限に抑えながら効率的に取引が可能です。

例えば、現在の価格が105円で買いポジションを持っているとします。この状態で「108円で利益確定」「102円で損切り」のOCO注文を設定することで、価格が設定した利益確定ポイントに達すれば自動的に売却され、損失が一定の範囲を超えた場合には損切りが実行されます。

このように、OCO注文を利用することで、取引中にチャートから離れていても、設定した条件に基づいて自動的に取引が完了します。特に初心者の方は、ポジションを持った際にOCO注文を設定するのがおすすめです。

FXにおけるOCO注文の注意点

FXでOCO注文を使う際には、スリッページに注意しましょう。スリッページとは、注文がFX会社に届く間に為替レートが変動し、指定した価格とは異なる価格で取引が成立する現象です。この問題は、特に市場が活発に動く時や重要な経済指標の発表前後に発生しやすくなります。

たとえば、1ドル150円で10,000通貨の買いポジションを保有しているとします。この状態で、151円での利益確定指値注文と149円での損切り逆指値注文を設定していた場合、為替レートが変動し、スリッページが発生する可能性があります。例えば、149円で設定した逆指値注文を148.50円で約定すると、本来の損失よりも大きな損失が発生することになってしまうわけです。

スリッページのリスクを減らすためには、市場の動向をよく監視し、重要な経済指標の発表前後には注文のタイミングを慎重に選ぶことが重要です。