FXで勝ちやすい通貨ペアは存在する？通貨ペアの特徴や選び方について解説

「FX取引で勝ちやすい通貨ペアは存在するの？」「もし勝ちやすい通貨ペアがあるなら知りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。通貨ペアの選び方はトレーダーのスタイルや市場の状況によって異なりますが、特定の通貨ペアが安定した利益をもたらすことがあります。

今回は、勝ちやすい通貨ペアの特徴や、通貨ペアを選ぶ際のポイントについて解説します。FX取引で成功を目指す方はぜひ参考にしてください。

FXにおける通貨ペアとは？

FX取引において、通貨ペアとは異なる2つの国の通貨を組み合わせた取引単位です。例えば、「米ドル/円」や「ユーロ/米ドル」などがあります。FXでは単一の通貨を売買するのではなく、これらの通貨ペアを取引します。

例えば「米ドル/円を買う」という操作は、米ドルを購入し、同時に円を売却することを意味します。逆に「米ドル/円を売る」操作は、米ドルを売却し、円を購入するといった意味です。

なお、通貨ペアの中で左側に位置する通貨を「基軸通貨」、右側を「決済通貨」と呼びます。通貨ペアの選び方やそれぞれの特性について理解することは、成功するFXトレーダーにとって欠かせません。

また、通貨ペアは大きく分けて以下の4種類があります。

それぞれの通貨ペアについて、特徴を確認しましょう。

メジャー通貨ペア

メジャー通貨ペアは、FX市場で最も人気があり、取引量が多い通貨ペアです。代表的なものには、EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD、USD/CHFなどがあります。これらの通貨ペアは流動性が高く、スプレッド（買値と売値の差）が比較的狭い特徴を持ちます。

世界の主要な経済大国の通貨で構成されているため、経済指標や政治的な出来事による影響を受けやすいです。例えば、USD/JPYは日米の金利差に、EUR/USDはユーロ圏と米国の経済状況に大きく左右されます。

メジャー通貨ペアは取引しやすく、テクニカル分析が効果的に行えるため、トレンドが形成されやすい傾向があります。ただし、経済指標などの影響による急激な価格変動が起きやすい特徴も併せ持つため、注意が必要です。

FX初心者は、トレンドが形成されやすいメジャー通貨ペアから取引を始めることがおすすめです。

マイナー通貨ペア

マイナー通貨ペアは、メジャー通貨ペアとは異なり、取引量が少なく流動性が低いこと、スプレッド（買値と売値の差）が広いことが特徴です。代表的なマイナー通貨ペアには、EUR/GBP、GBP/JPY、EUR/AUD、GBP/CADなどがあります。

値動きが荒く、短期間で大きな価格変動が起きやすい一方で、流動性が低いことからトレンドが継続しやすく、利益を狙いやすい特性も持っています。

マイナー通貨ペアはメジャー通貨ペアよりも外的な要素に左右されにくいため、テクニカル分析が役立ちます。ただし、勝ちトレードを重ねるには、通貨ペアごとの値動きの特性を理解し、しっかりとしたリスク管理を行うことが欠かせません。そのため、マイナー通貨ペアは、初心者にとっては取引経験を積んでから挑戦することが推奨されます。

クロス通貨ペア

クロス通貨ペアとは、米ドル（USD）を含まない通貨ペアを意味します。代表的なものには、EUR/JPY、GBP/JPY、EUR/GBPなどがあります。

これらの通貨ペアは、2つの通貨の経済状況や金利差による値動きが発生しやすいことが特徴です。そのため、比較的高いボラティリティを示し、スプレッド（買値と売値の差）も広くなりやすい傾向があります。

そのほかの特徴として、米ドルが含まれていないため、米ドル関連の経済指標や政治的要因の影響を受けにくいことがあります。

クロス通貨ペアは、トレードスタイルや相場環境に応じて戦略的に取り入れることで、リスクを抑えたFX取引に寄与するでしょう。ただし、そのボラティリティの高さに注意し、市場の理解とリスク管理を徹底したトレードが求められます。

コモディティ通貨ペア

コモディティ通貨ペアとは、原油や金属といった商品価格と連動しやすい通貨ペアのことです。代表的なコモディティ通貨ペアとして、以下が挙げられます。

これらの通貨ペアは、商品市況の変動に連動しやすいため、価格が大きく変動しやすい、つまりリスクが高いといえます。ただし、エントリーチャンスも多く存在するため、しっかりと市場を分析し、上手に取引することで大きな利益を狙えるでしょう。

FXで勝ちやすい通貨ペアを選ぶためのポイント

FXで勝ちやすい通貨ペアを選ぶためのポイントとして、以下の4つの項目が挙げられます。

それぞれについて解説します。

まずは通貨を絞る

まずは、通貨ペアを絞ることが重要です。FX取引を始める際には、複数の通貨ペアに目を向ける方も多いかもしれませんが、複数の通貨ペアでトレードを行うと市場の動きや特性を理解するのが難しくなり、結果としてトレードの質が低下することがあります。

そのため、通貨ペアを絞り、そのペアに特化した市場分析や価格パターンの把握を徹底することから始めてみましょう。特定の通貨ペアに集中することで、その通貨ペアの特有の動きやトレンドを見極めることができ、より正確なトレードを行いやすくなります。

はじめのうちは、よく取引されるメジャー通貨ペアや自身が興味を持っているペアを選ぶと良いでしょう。たとえば、EUR/USDやUSD/JPYなどは流動性が高く、市場の動きが比較的予測しやすいため、初心者にとって適しているといえます。

取引量は多いか

取引量が多い通貨ペアは、トレーダーにとって安定した取引環境を提供します。市場に多くの参加者が存在するため、価格の変動が比較的予測しやすく、テクニカル分析やファンダメンタル分析を効果的に活用できます。

また、流動性が高いと注文の執行がスムーズに行われ、スリッページ（価格変動による注文の不利な影響）のリスクも低減されるでしょう。

さらに、取引量が多い通貨ペアは一般的にスプレッド（買値と売値の差）が狭くなる傾向があります。これにより、取引コストを抑えることができ、トレードの効率性が向上します。

スプレッドが狭いか

スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶことは、トレードの効率性を高める重要な要素です。スプレッドとは、買値と売値の差のことであり、この差が狭ければ取引コストが低く抑えられます。

特に、狭いスプレッドは、エントリーやイグジットのタイミングを正確に捉えやすく、トレードの精度向上にも寄与するでしょう。

ボラティリティの高さはどの程度か

ボラティリティの高さは、トレードの成功に直接影響を与えます。「通貨ペアのボラティリティが高い」とは、その価格が急激に変動する傾向があることを意味します。これにより、価格が短期間で大きく上下するため、トレードの機会が増える一方でリスクも増大します。

高いボラティリティを持つ通貨ペアは、市場参加者の感情や予期せぬニュースによって大きく左右されることがあります。そのため、高い制度でテクニカル分析やファンダメンタル分析を行うことが重要です。また、リスク管理がより厳密に求められるため、トレーダーは十分な準備と計画を立てる必要があります。

一方で、ボラティリティの低い通貨ペアは価格の変動が比較的少なく、市場が安定している特性があります。初心者にとっては安定した市場環境で学びながらトレードすることが推奨されますが、安定性が高すぎるとトレードの機会が限られてしまうでしょう。

そのため、トレーダーは自身のトレードスタイルやリスク許容度に合わせて、ボラティリティの高さを選択することがポイントです。

FXにおける特徴別の通貨ペアまとめ

ここでは、以下の特徴別にFXにおける各通貨ペアを紹介します。

それぞれの項目について、内容を見ていきましょう。

トレンドが続きやすい通貨ペア

トレンドが続きやすい通貨ペアとして知られるのは、EUR/JPY、GBP/JPY、AUD/USDなどです。これらの通貨ペアは、その特性からトレンドフォローの戦略に適しています。

EUR/JPYとGBP/JPYは、いずれも主要通貨であるユーロとポンドの組み合わせです。このような組み合わせは、値動きの方向が明確に現れやすく、トレンドの形成が比較的スムーズです。値動きが大きくボラティリティが高いことも、トレンドが発生しやすい要因といえます。

一方、AUD/USDはオーストラリアドルと米ドルの組み合わせであり、資源国通貨であるオーストラリアの経済動向や世界的な景気の影響を受けやすい特性があります。これにより、トレンドが継続する可能性が高くなりますが、同時に市場の変動も大きいため、リスク管理が不可欠です。

トレンドフォロー戦略を取る場合、上記の通貨ペアの価格動向を注意深く観察し、正しいトレンドの方向に乗ることを意識しましょう。

値動きの幅が広い通貨ペア

値動きの幅が広い通貨ペアには、USD/ZAR、AUD/USD、NZD/USD、USD/MXN、GBP/USDなどが挙げられます。これらの通貨ペアは、直近数年間の平均ボラティリティが高い傾向にあるため、短期間で大きな価格変動を示す傾向があります。

特に、USD/ZARは南アフリカランドと米ドルの組み合わせであり、新興国通貨であるランドの経済的不確実性が大きな影響を与えます。また、AUD/USDやNZD/USDはオーストラリアドルとニュージーランドドルを含み、これらの通貨は資源価格の変動に敏感です。

値動きの激しい通貨ペアは、ハイリスク・ハイリターンの特性を持ちます。これらのペアは短期売買に適しており、一日の中でも複数回のトレードチャンスを捉えられるかもしれませんが、同時にリスク管理が重要です。急激な価格変動により損失が急増する可能性があるため、トレーダーは慎重な取引計画を立て、リスク許容度に合わせたトレードを実行しましょう。

レンジ相場になりがちな通貨ペア

レンジ相場とは、為替レートが一定の範囲内で上下に反発する動きを繰り返すことを意味します。このような相場状況になりやすい代表的な通貨ペアとして、EUR/CHFやAUD/NZDが挙げられます。

EUR/CHFは、欧州連合とスイスの経済的な結びつきによる、安定した値動きが特徴です。このため、上値と下値のサポート・レジスタンスラインを明確に確認できることが多く、レンジ相場でのトレードを求めるトレーダーにとっては取引しやすいでしょう。

また、AUD/NZDもレンジ相場になりやすい特性を持っています。オーストラリアドルとニュージーランドドルは、両国の経済的な動向や資源価格の影響を受けやすいため、価格が一定の範囲内で動くことが多いです。

どの通貨ペアでもレンジ相場に移行する可能性はありますが、上記の通貨は相場の範囲感を捉えやすく、テクニカル分析ツールの活用が有効です。ADXやボリンジャーバンドなどを使って相場の状況を把握し、適切なトレード戦略を展開してみてください。

ボラティリティの低い通貨ペア

ボラティリティの低い通貨ペアは、価格変動の幅が小さく、安定したチャート形成を見せる傾向にあります。通貨ペアの主な代表例は、AUD/USD、USD/JPY、EUR/USD、USD/CHF、USD/CADなどです。

これらの通貨ペアは、経済が安定している主要国同士の組み合わせであるため、流動性が高く、取引時のスプレッドも狭い傾向にあります。ただし、ボラティリティが低いことは同時に値動きが小さいことも意味するため、一回のトレードで得られる利益が低いことも特徴として押さえておきましょう。

まとめ

今回は、FXで勝ちやすい通貨ペアを選ぶためのポイントや、特徴別におすすめの通貨ペアを紹介しました。

通貨ペアによってトレンド形成や値動きの特性が異なるため、自身が取引する通貨ペアについてテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を通して特徴を掴み、トレードに生かすことが欠かせません。

自身のトレードスタイルに合わせて通貨ペアを選び、リスク管理を徹底したトレードを行っていきましょう。