「FXのデメリットを理解してリスク管理をしたい」「FX投資のリスクや注意点について詳しく知りたい」という方は多いのではないでしょうか。
今回は、FXのメリットやデメリット、向いていない人の特徴、成功するためのトレードのコツなどについて解説します。
FXにおけるリスクを把握し、安全に投資を進めたい方は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
FXはやめておけと言われる理由とは?大金持ちになった人がいるって本当?
FXなどの投資で「100%勝てる」「絶対に勝てない」という確実性はありませんが、多くの人が「FXはやめとけ」と言う理由として、以下の3点が挙げられます。
- 損失が大きくなる可能性がある
- 「FXはギャンブル」というイメージ
- メンタル面での負担が大きい
FXの特徴として、少ない資金で大きな利益を狙うレバレッジを使えることがあります。しかし、レバレッジは買った場合の利益だけでなく、負けた場合の損失が大きくなる点に注意しなければなりません。
また、多くの人にとって「FXはギャンブル」という一般的なイメージが広まっていることもあり、そのリスクに対する警戒心が高まります。ただ、FXはギャンブルではなく投資に該当するため、正しい知識を身につけ、経験を重ねていけば、徐々に勝率を高めることも可能です。
そして、メンタル面での負担が大きい点もFXの特徴です。FX市場は24時間価格が変動し続けるため、常に注視していなければならず、これがトレーダーにストレスや焦りをもたらします。特に初心者は市場の変動に対処するための精神的な強さを持ち合わせていないことが多いため、メンタル面での負担が大きな課題となります。
このようにFXには多くのリスクが伴いますが、それらを適切に管理し、投資として取り組むことでリターンを得られるでしょう。
FXのデメリット5選
FXのデメリットとして、主に挙げられるのは以下の5つです。
- レバレッジをかけると損失リスクが増える
- 値動きを予想するのが難しい
- 強制ロスカットによって損失が出る可能性がある
- メンタル的に辛いことも少なくない
- 高額商材や自動売買ツールに騙されやすい
レバレッジをかけると損失リスクが増える
レバレッジをかけると損失リスクが増えることは、FX取引におけるデメリットの一つです。レバレッジは、自己資金を超える金額の取引を可能にする仕組みであり、少ない資金で大きな利益を狙えます。しかし、その裏返しとして、レバレッジの倍率に応じて損失リスクも大きくなります。
為替相場は予測不能な要素も多く含まれており、予想外の動きがあった場合、損失が急速に拡大することもあるでしょう。個人トレーダーが大きな損失を抑えるためには、レバレッジをかけるほど為替の動きに対するリスクが大きくなることを考慮し、レバレッジを上手に活用することと、適切な倍率を選択することが大切です。
また、過度なレバレッジは短期間で大きな損失を被るリスクを高めるだけでなく、メンタル面にも負担を与える可能性があるため、トレーダーは自身のリスク許容度や市場の状況に応じて、適切なレバレッジ倍率を選択することが欠かせません。
値動きを予想するのが難しい
値動きを予想するのが難しいことも、FX取引におけるデメリットの一つです。FXでは、為替レートの変動を正確に予測し、その変動に応じて取引を行うことが求められます。しかし、為替市場は複雑であり、さまざまな要因によって影響を受けるため、値動きを予測することは容易ではありません。
為替の値動きには、政治や経済情勢、国際関係の変化、さらには自然災害や社会的な出来事など、予測が難しい多くの要素が関係しています。初心者の場合、これらの要因を考慮せずに取引を行いがちです。そのため、不確実な状況下での取引が増え、結果として勝率が下がってしまうかもしれません。
対処法としては、為替の値動きに対する対策が大切です。利益確定や損切りの価格水準について自身の取引ルールを設定し、そのルールに従って取引を行いましょう。感情に左右されずに取引を実行することで、値動きの予測が難しい状況でも一定の収益を確保し、損失が増えるのを防ぎやすくなります。
強制ロスカットによって損失が出る可能性がある
強制ロスカットによって損失が出る可能性があることは、FX取引におけるデメリットの一つです。ロスカットとは、保有中のポジションが含み損が一定の基準に達した場合に、自動的に決済される仕組みです。このロスカットによって、投資家は思わぬ損失を被る可能性があります。
特に、少額の資金で高レバレッジの取引を行う場合や、為替の急激な変動が起きた場合には、ロスカットのリスクが高まります。他の投資商品とは異なり、FXでは含み損が一定額を超えると強制的に取引が精算されてしまうため、時間を味方にする長期投資には向かないとされます。
FX業者ごとに設定された証拠金維持率が設定されており、これを下回るとロスカットが発動します。証拠金維持率は業者によって異なりますが、100%、70%、50%などが一般的です。なお、証拠金維持率は以下の式で求められます。
証拠金維持率の計算方法
純資産(口座残高+評価損益)÷必要証拠金×100
投資家はこの証拠金維持率を把握し、取引開始前にロスカットとなる価格を計算しておくことが欠かせません。
メンタル的に辛いことも少なくない
メンタル的に辛いことも少なくないことは、FX取引におけるデメリットといえます。
FX市場はほぼ24時間取引が可能であり、ポジションを持っていると損益が変動する可能性があります。このため、取引者は常に市場の動向をチェックし、ストレスや精神的な負担が蓄積されることがあるでしょう。
しかし、このような行動は精神的な疲労を引き起こし、取引の判断力を鈍らせる可能性があります。また、24時間取引が可能なことから、睡眠不足や生活リズムの乱れなど、健康や生活にも影響を与える可能性も否定できません。
これらの問題を解決するためには、適切な取引ルールを決め、それにしたがって取引することが大切です。
高額商材や自動売買ツールに騙されやすい
高額商材や自動売買ツールに騙されやすいことも、FX取引におけるデメリットです。
FX市場では、高額な自動売買ツールや情報商材を販売する詐欺が横行しており、投資家が騙されるリスクもゼロではありません。これらの商材は、「必ず儲かる」「簡単に稼げる」といった誇大な表現で宣伝されることが多く、未経験者や初心者が特に騙されやすい傾向にあります。
日本でFX取引を行う業者は金融商品取引業の登録が必要ですが、無登録業者との取引は大きなリスクを伴います。無登録業者との取引でトラブルが生じた場合、返金や補償を求めることが困難になるため、投資家は必ず登録業者であるかを確認することが欠かせません。
また、高額な商材や自動売買ツールに騙されないためには、冷静な判断力と情報の正確な吟味が必要です。
FXのメリット4選
反対に、FXのメリットには以下のような項目が挙げられます。
- 長時間取引できる
- 少額から取引を始められる
- 取引にかかるコストが安い
- 利益を狙えるタイミングが多い
それぞれについて解説します。
長時間取引できる
長時間取引が可能であることは、FXにおけるメリットの一つです。FX市場はほぼ24時間取引が可能であり、世界中の主要な金融センターが交互に営業しているため、時間帯や地域に関係なく取引を行えます。
これにより、投資家は自分の都合に合わせて取引でき、仕事や日常生活のスケジュールに合わせた取引が可能です。また、世界中の経済情勢やイベントに影響を受けるため、時差を利用して異なる時間帯に取引することで、市場の変動をより効果的に活用できます。
少額から取引を始められる
少額から取引を始められることは、FX取引の魅力的なメリットの一つです。
FX市場では少額の資金でも取引を開始できるため、初心者や小口投資家にとって低リスクで参加できる環境が整っています。この特性により、投資家は自身のリスク許容度や資金状況に合わせて取引を行いやすいでしょう。高額な資金を投入せず、少額資金で市場の動向を学びながらFXの経験を積めることも特長といえます。
さらに、少額から取引を始めることで、リスク管理がしやすくなります。これにより、大きな損失を被るリスクを最小限に抑えた堅実な取引が可能です。
取引にかかるコストが安い
取引にかかるコストが安いことも、FX取引の利点の一つです。FX市場では、スプレッド(買値と売値の差)が狭いため、他の金融商品に比べて取引にかかるコストが比較的低い傾向にあります。
一般的に、FX業者は取引に対して手数料を請求することはなく、代わりに取引時のスプレッドを利益の一部としています。ただし、上述のようにスプレットは他の金融商品に比べて非常に低い水準に抑えられており、主要通貨ペアや人気のある取引商品は特にスプレッドが狭く、取引コストが低いことが特徴です。
この特性は、投資家にとって非常に魅力的な要素といえます。高額な手数料やスプレッドが利益を圧迫することがないため、効率的かつリスクを抑えた投資を実現できるでしょう。
利益を狙えるタイミングが多い
利益を狙えるタイミングが多いことも、FX取引の利点の一つです。FX市場は世界中で常に取引されており、さまざまな要因によって為替レートが変動します。そのため、市場には常に利益を狙える機会が数多く存在します。
例えば、経済指標の発表や中央銀行の発言など、重要なイベントが発生すると市場には大きな動きが生じます。これらの動きを正確に予測し、タイミングよく取引を行うことで、大きな利益を得やすいでしょう。
また、短期的なトレンドパターンについても、利益を狙えるタイミングとして捉えられます。
FXの危険性とは?やめておくべき人の特徴
FXは大きな利益を得る可能性がある一方で、高いリスクを伴う投資手段です。以下に該当する方は、FX取引に向いていない場合もあるため注意しましょう。
- 損切りの基準を決められない人
- ポジションを持っている状態でないと安心できない人
- 相場を確認する暇がない人
- ギャンブル性を求める人
- 1回も負けないことにこだわる人
FXで損失を最小限に抑えるためには、損切りの基準を明確に設定し、感情に左右されず冷静にトレードすることが欠かせません。為替市場は予測が難しく、リスクを取りながらも着実に利益を積み上げることが重要です。
また、常にポジションを保有したいという執着心が強い人や、忙しい生活スタイルで値動きを確認する時間が取れない人にとっても、FXは向いているとはいえません。自身の性格や生活スタイルとの適合性を考え、無理なく取り組める範囲内で行うことが大切です。
さらに、ギャンブル的な興奮を求める人や、全勝を目指す人にとって、FXは向いていないかもしれません。100%勝てる方法は存在しないことを理解し、根拠を持ったトレードを継続することで、徐々に勝率を高めていけるでしょう。
「FXで人生終わった人」にならないためのトレードのコツ
FXで成功するには、以下のポイントに気をつけてトレードしましょう。
- 少額から始めてリスクを抑える
- レバレッジをかけすぎない
- 損失を最小限に抑えるトレード方法を身につける
大金を投入するのではなく、リスクを抑えながら取引を始めることで、初心者でも安心して取引に参加できます。また、レバレッジをかける際には注意が必要です。レバレッジをかけすぎると、大きな損失を被る可能性が高まるため、自身のリスク許容度に合わせて適切なレバレッジを選択しましょう。
さらに、損失を最小限に抑えるトレード方法を身につけることも重要です。損切りの基準を明確に設定し、冷静にトレードを心がけることが欠かせません。
まとめ
今回は、FXにおけるメリットやデメリット、トレードのコツなどについて解説しました。FXは多くのリスクを伴う投資であり、見方によってはデメリットが目立ってしまう場合もあります。
ただし、FXをギャンブルではなく投資として捉え、知識と経験を重ねて冷静なトレードを行うことで、FXのメリットを享受しやすいでしょう。取引時のルール決めや取引額の設定を慎重に行い、リスク管理を徹底した上でFXに取り組むことが大切です。