「ドテン取引ってどういう意味?」「FXでドテンはどう使えばいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
効率よく利益を上げるためには、トレンドの反転を見極め、ドテン取引を上手に活用することが欠かせません。
今回は、ドテン取引の基本的な仕組みや、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
「トレード手法を広げたい」「リスクを抑えて利益を出したい」という方は、ぜひ参考にしてください。
FXにおけるドテンとは
ドテンとは、現在保有しているポジションを決済した後、即座に反対のポジションを新たに建てる取引手法を指します。この「ドテン」という言葉は、漢字で「途転」と表記され、相場の変化に迅速に対応する姿勢を反映しています。
市場が反転する際に、その動きを捉えることで、短時間での利益を狙うことが可能です。ドテンは、特に急激なトレンドの変化を利用したいトレーダーにとって、効果的な戦略となりますが、相応のリスクも伴うため注意深い判断が求められます。
ドテン買いとは?
ドテン買いとは、保有している売りポジション(ショート)を決済した後、すぐに買いポジション(ロング)を新たに持つ取引スタイルです。この戦略は、ドテン買い越しとも呼ばれ、主にトレンドの反転を狙ったものです。
たとえば、下落トレンドに乗ってショートを保有している際にトレンド転換の兆しを見極めた場合、まずは売りポジションを利確し、その後すぐに買いポジションを持つことで、上昇トレンドから利益を得ることを目指します。この方法では、下落トレンドからの利益を確保しつつ、反転した上昇トレンドでもさらなる収益を期待できます。
また、売りポジション保有後に相場が上昇した場合には、損切りを行った後、さらなる上昇を見込んでロングを取ることも可能です。このように、ドテン買いは柔軟に市場の変動に対応するための有効な手法といえるでしょう。
ドテン売りとは?
ドテン売りとは、保有中の買いポジション(ロング)を決済した後、即座に売りポジション(ショート)を新たに構築する取引手法です。この手法は「ドテン売り越し」とも呼ばれ、特にトレンドの変化を捉えるために有効です。
たとえば、上昇トレンドに乗ってロングを保有しているとき、トレンドの転換を予想し、まずは買いポジションを利確します。その後、すぐにショートを持つことで、反転した下落トレンドからの利益を狙います。こうすることで、上昇トレンドから得た利益を確保しながら、さらに下落トレンドでも利益を期待できます。
また、ロングポジションを持っている最中に相場が下落した場合、損切りを行った後、さらなる下落を見込んでショートを取ることも可能です。このように、ドテン売りは市場の動向に敏感に反応するための重要な戦略となります。
FXにおけるドテン注文のメリット
FXにおけるドテン注文のメリットとして、以下が挙げられます。
- 損失が出たとき:損失を補填できる場合がある
- 利確したとき:効率的に利益を狙いやすい
それぞれ解説します。
損失が出たとき:損失を補填できる場合がある
FXにおけるドテン注文の大きなメリットの一つは、損失を補填するチャンスがあることです。市場の動きが予想と異なり、損失が発生した際には、ドテン注文を利用することで状況を改善できる可能性があります。
たとえば、レンジ相場で価格が横ばいの中、サポートラインで反発を期待して売りエントリーしたものの、価格がラインを突破して上昇を続ける場合があります。この際、売りポジションを決済し、すぐに買いポジションを構築することで、損失の拡大を防ぎつつ、上昇トレンドから利益を狙うことが可能です。
相場が予想とは逆に動くことはよくあるため、焦らずにドテン注文を活用し、冷静に対処することが重要です。事前にどのように行動するかを計画しておくことで、よりスムーズにトレードを進めることができるでしょう。
利確したとき:効率的に利益を狙いやすい
FXにおけるドテン注文のもう一つの大きなメリットは、買いと売りの両方で効率的に利益を狙える点です。ドテン買いを行うことで、単に損失を補填するだけでなく、より大きな利益を得るチャンスも生まれます。
成功したドテン注文は、取引間の無駄な時間を排除し、スムーズに利益を追求することを可能にします。具体的には、保有していたポジションを決済した直後に逆方向のエントリーを行うことで、より有利な価格で新たなポジションを構築可能です。
また、高いレバレッジを活用すれば、少ない資本で大きな利益を狙うこともできます。市場の動きに素早く反応し、的確にドテン注文を行うことで、リスクを抑えながら効率的に利益を追求できます。このように、ドテン注文はトレーダーにとって非常に有効な戦略となるでしょう。
FXにおけるドテン注文のデメリット
反対に、FXにおけるドテン注文のデメリットとして、以下が挙げられます。
- 上級者向きの手法であり、難易度は高い
- 損失を拡大させるおそれがある
それぞれ解説します。
上級者向きの手法であり、難易度は高い
FXにおけるドテン注文は、非常に効果的な戦略である一方、上級者向けの手法であるため、その難易度は高いといえます。成功すれば大きな利益を生む可能性があるものの、相応のリスクも伴います。ドテン注文をうまく活用するためには、相場の動きを的確に予測するスキルが必要です。市場のトレンドを正しく把握し、チャートをしっかり分析しないまま実行すると、意図しない損失を抱える危険性が高まります。
また、ドテン注文には迅速な判断力も求められます。市場の変動に迅速に対応できる経験がなければ、うまく利益を上げることは難しいでしょう。まずは基本的な取引技術を習得し、経験を積んだ上で、徐々にドテン注文に取り組むことが推奨されます。
損失を拡大させるおそれがある
FXにおけるドテン注文には、損失を拡大させるリスクが存在します。確かに、この手法は損失を補填する手段として有効ですが、逆に新たな損失を生む可能性も否定できません。たとえば、あるラインで反発を期待して買いポジションを取ったものの、相場がラインを抜けて下落してしまうことがあります。このとき、損失を取り戻そうと急いで売りポジションを持つと、相場が再び横ばいに戻る場合、さらなる損失を抱えることになりかねません。
このような状況を避けるためには、ラインを抜けた後の行動に注意が必要です。特に、すぐにエントリーせず、一度様子を見てから判断することが重要です。
相場の動きを冷静に観察し、適切なタイミングでのエントリーを心掛けることで、無駄な損失を防ぎ、より安全な取引を行えるでしょう。ドテン注文を行う際は、慎重なアプローチが求められます。
FXでドテン注文を入れる方法
FXでドテン注文を入れる方法として、以下の2パターンを紹介します。
- レンジ相場の場合
- レンジ相場のブレイクアウトの場合
それぞれ見ていきましょう。
レンジ相場の場合
FXにおけるドテン注文を行う際、レンジ相場は非常に有効な市場となります。レンジ相場とは、価格が一定の幅の中で上下に推移する状態であり、この特性を利用することは基本的な手法の一つです。まず、サポートラインで価格が反発した際に買いエントリーを行います。その後、価格がレジスタンスライン付近に達した際にドテン売りを行い、利益を狙います。
このように、レンジ相場ではラインでの反発を利用して、素早くエントリーすることが成功のカギです。あらかじめエントリータイミングを決めておくことで、指値注文などを活用して迅速な対応が可能となります。これにより、チャンスを逃すことなく、効果的に利益を上げやすいでしょう。
レンジ相場のブレイクアウトの場合
FXにおけるドテン注文のもう一つの効果的な手法は、レンジ相場でのブレイクアウトを利用することです。ブレイクアウトとは、価格が特定のラインを突破して一方向に動く現象であり、このタイミングでエントリーすることで大きな利益を得るチャンスが生まれます。
重要なのは、ラインを抜けた直後にすぐにエントリーするのではなく、まずは市場の動きを観察することです。ラインを突破した後に価格がどのように推移するかを見極め、さらに伸びると判断した場合にのみエントリーを行います。こうすることで、ダマシに遭うリスクを軽減できます。
このように、ブレイクアウトを狙ったドテン注文は、高い利益を期待できる反面、慎重な判断が求められます。
FXでドテン注文を入れる際の注意点
FXでドテン注文を入れる際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 失敗しやすい手法である
- ポジポジ病になりやすい
- 往復ビンタに合う可能性もある
- 利確と損切りのラインをはっきりと決めておくこと
- 損切りは特に早いタイミングで入れること
それぞれについて解説します。
失敗しやすい手法である
FXにおけるドテン注文は、一見魅力的な手法ですが、特に初心者にとっては失敗のリスクが高いことを理解しておく必要があります。この手法を成功させるには、相場の動きを正確に予測する能力が求められます。具体的には、チャートが特定のラインで反発するのか、または突破するのかを見極める必要がありますが、これが初心者には難しい場合が多いです。
そのため、経験が浅い方がドテン注文に挑戦すると、予想とは逆の動きに遭遇し、大きな損失を被ることがあります。この手法は注意深く行う必要があり、慎重な分析が不可欠です。初心者は他のトレード手法も検討することをおすすめします。
ポジポジ病になりやすい
FXでドテン注文を行う際には、ポジポジ病に陥るリスクがあります。これは、常にポジションを保有していないと不安を感じる心理的状態を指します。ポジポジ病になると、根拠のない取引を重ねてしまい、不必要なポジションを持つことになりやすいです。
このような状態では冷静な判断が難しくなり、利益を上げるどころか損失を招く原因となります。常に市場の動きに敏感でいることは重要ですが、必要以上にポジションを持つことは避けるべきです。自分自身の心理状態を見極め、適切なタイミングで取引を行うことが欠かせません。
往復ビンタに合う可能性もある
FXのドテン注文を行う際には、往復ビンタに遭うリスクが存在します。これは、最初のポジションとドテン注文のポジションの両方が損切りに至る状況を指し、特に避けたい事態です。損失を補填するためのドテン注文が逆効果となり、さらに損失を拡大させる可能性があるため注意が必要です。
往復ビンタに遭った際は、感情的になって損失を取り戻そうとするのは禁物です。冷静さを失うと、さらなる損失を招くことがあります。このような時には、一旦チャートから離れてリフレッシュし、冷静な判断を取り戻すことが重要です。ドテン注文を活用する際は、そのリスクを十分に理解した上で慎重に行動しましょう。
利確と損切りのラインをはっきりと決めておくこと
FXでドテン注文を行う際は、利確と損切りのラインを明確に設定することが極めて重要です。多くのトレーダーは、大きな利益を期待して決済をためらうことがありますが、その結果、相場の変動により得られるはずだった利益を逃す危険性があります。
事前に利確ラインと損切りラインを決定し、それに従って取引を進めることで、冷静な判断が維持できます。具体的には、リスクリワード比を2:1に設定することで、適切なラインを決める一助となります。これにより、感情に左右されることなく、戦略的なトレードが実現できるでしょう。
損切りは特に早いタイミングで入れること
FXでドテン注文を行う際には、損切りのタイミングが特に重要です。損切りは基本的な取引ルールですが、ドテン注文においてはその重要性が増します。含み損を抱えたポジションに対しては、早急に損切りを実行する必要があります。
ドテン注文は大きな利益を見込める一方で、失敗した際のリスクも大きいため、損失を最小限に抑えることが求められます。ポジションの変化を期待して損切りをためらうことは禁物です。FXでは、小さく負けて大きく勝つことが理想であり、思い切った判断が必要な場面もあります。
まとめ
今回は、FXにおけるドテンとはやFXにおけるドテン注文のメリットについて解説しました。さらに、ドテン注文のデメリットや、具体的な入れ方についても触れています。
ドテン注文を活用するためには、しっかりとした相場分析やリスク管理を行うことが欠かせません。また、利確と損切りのラインを明確に決め、迅速に行動することが重要です。
記事の内容を参考に、FX取引での成功を目指して、ドテン注文に取り組んでみてはいかがでしょうか。