ボリンジャーバンドのエクスパンションの見極めにおすすめのインジケーター5選

「FXでボリンジャーバンドのエクスパンションを活用したいけれど、タイミングの見極めが難しい」「エクスパンションを見極めるのに有効なインジケーターを知りたい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

相場の変動を正確に捉える方法の一つとして、エクスパンションを見極めるインジケーターを活用することができます。

今回は、ボリンジャーバンドのパターンやエクスパンションを見極めるのにおすすめなインジケーターについて解説します。「ツールを活用してトレードの精度を高めたい」「エクスパンションを見極める方法を知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

ボリンジャーバンドのスクイーズ・エクスパンション・寸胴型のパターンとは？

ボリンジャーバンドは、移動平均線に標準偏差を組み合わせたテクニカル指標です。この指標は、価格が一定範囲（バンド）の中に収まりやすいという統計的な特性を活用しています。

中央に移動平均線があり、その上下にバンドが広がる形で、相場の値動きを視覚的に捉えやすくするのが特徴です。また、バンドの収縮と拡大の動きをもとに、順張り・逆張りのそれぞれのスタイルに応用できます。

なお、ボリンジャーバンドのパターンには、以下の3つがあります。

• スクイーズ
• エクスパンション
• 寸胴型

それぞれのパターンについて、詳しく見ていきましょう。

スクイーズとは

スクイーズ（Squeeze）とは、ボリンジャーバンドの上下のバンドが中央へ収縮する状態を指します。この現象は主にトレンドの終盤で見られ、ボラティリティが大きく低下し、相場がレンジ状態に移行していることを示します。

スクイーズは低ボラティリティの状態であり、新しいトレンドの始まり（次に解説するエクスパンション）の前兆となることが多いです。

また、スクイーズが長期間続くほど市場の熱が高まり、その後の値動きが一層大きくなる可能性があります。スクイーズを的確に把握することは、次のトレンドを予測する上で重要なポイントといえるでしょう。

エクスパンションとは

エクスパンション（Expansion）は、急激にボラティリティが高くなり、相場が一方向に大きく動く現象です。別名「ボラティリティブレイクアウト」とも呼ばれ、特にボリンジャーバンドのスクイーズから移行する際に見られます。

この状態では、スクイーズ中に蓄積された市場の熱が一気に放出されるため、値動きが急激に加速します。

ボリンジャーバンドでは、スクイーズが収束し、市場の過熱度が高まった後にエクスパンションが起こるため、このタイミングが最も利益を上げやすいといわれます。

ただし、この移行を正確に予測するのは難しく、チャートの動きを毎回正確に予想できるとは限りません。スクイーズの兆しを捉えられれば、その後のエクスパンションのタイミングをうまく見極められるでしょう。

寸胴型とは

寸胴型とは、上から下まで幅が均等に広がっている状態を指します。ボリンジャーバンドにおける寸胴型は、スクイーズとは異なり、±2σの幅が比較的広くなっているのが特徴です。

このパターンでは、相場がレンジ相場のように横ばいの動きを繰り返すことが多く、大きな値動きの中で一定の範囲内で推移することが確認できます。

実際のチャートで寸胴型を確認すると、ボリンジャーバンドの幅が広がり、相場が急激に動くことなく、一定の範囲で収束している様子がわかるでしょう。寸胴型は、相場の方向感が定まらない状況において発生しやすいパターンといえます。

ボリンジャーバンドのエクスパンションを見極めるのにおすすめな5つのインジケーター

ボリンジャーバンドでエクスパンションなどのパターンを見極める際におすすめのインジケーターとして、今回紹介するのは以下の5つです。

• BB-expansion
• bbsqueeze w Alert nmc
• Bollinger Bands with Customizable Expansion Detector
• 00-BbAngle_v100
• Bollinger Bandwidth

それぞれのインジケーターについて、特徴を解説します。

BB-expansion

BB-expansionは、FX侍さんという方が開発したインジケーターです。

ボリンジャーバンドのエクスパンション部分に焦点を当てたオリジナルのインジケーターであり、特別な機能を持つわけではないものの、ボリンジャーバンドのエクスパンションを視覚的に強調表示するため、便利に活用できます。

アラート機能は搭載されていませんが、ボリンジャーバンドは相場に応じて常に動くため、シンプルに使えるツールといえます。

また、BB-expansionではボリンジャーバンドの期間や偏差を自由に変更できるため、個々のトレードスタイルに合わせた設定に調整可能です。さらに、色のカスタマイズにも対応しているため、視認性を高めることもできます。

BB-expansionが気になる方は、こちらからダウンロードして使用可能です。

bbsqueeze w Alert nmc

bbsqueeze w Alert nmcは、ボリンジャーバンドのエクスパンションの前兆となる、スクイーズを検出するインジケーターです。

このインジケーターは、ボリンジャーバンドの形状ではなく、1日の値動きの平均を表すATR（Average True Range）を使用したケルトナーチャネルとボリンジャーバンドの位置関係に基づいてスクイーズ状態を判定します。

なお、ケルトナーチャネルとは、3本のラインで構成されるテクニカル指標で、株価や為替レートの上限と下限、そして中間線（EMA）を使用します。

スクイーズが発生すると、黄色のドットが表示され、ヒストグラムが価格のモメンタムを示します。ケルトナーチャネルの設定を調整することで、スクイーズの感度をカスタマイズできますが、初心者の方はまずデフォルト設定から試してみると良いかもしれません。

このインジケーターはエクスパンションの前段階を捉えるため、トレンドの転換を予測するのに役立ちます。ダウンロードはこちらよりおこなえます。

Bollinger Bands with Customizable Expansion Detector

Bollinger Bands with Customizable Expansion Detectorは、サバイサバイFXさんという方が開発した、ボリンジャーバンドのエクスパンションを見極めるためのインジケーターです。

主な機能として、ボリンジャーバンドの幅を1から3σまで一度に表示できるほか、エクスパンションのシグナル表示条件をユーザー自身がカスタマイズ可能です。

これにより、どのバンドをブレイクしたらエクスパンションとして認識するか、価格のどの位置でブレイクを捉えるか、そしてバンド幅の広がりを基にしたボラティリティの変化を設定できる点が特長です。

さらに、条件を満たすとエクスパンションのシグナルを確認できるため、アラート機能で通知を受け取れます。このインジケーターにより、エクスパンションのタイミングをより確実に捉えやすいでしょう。こちらのリンクからダウンロードできます。

00-BbAngle_v100

00-BbAngle_v100は、ボリンジャーバンドに相場の勢いを加えて分析するインジケーターです。勢いの度合いは3段階で視覚的に表示され、黄色いドットは勢いがない状態、黄色い実線は普通の勢い、ピンクの実線は勢いが強い状態を表します。

エクスパンションを直接認識するわけではありませんが、ボリンジャーバンドと相場の勢いを組み合わせることで、エクスパンションの発生を見極めるツールとして活用できます。

また、パラメーター設定ではマルチタイムフレーム（MTF）の設定やボリンジャーバンドの基準、勢いを判断する数値の微調整が可能です。なお、特別な調整が不要な場合はデフォルト設定で十分に活用できるでしょう。ダウンロードはこちらよりおこなえます。

Bollinger Bandwidth

Bollinger Bandwidthは、ボリンジャーバンドの幅を一本の線で視覚的に表示するインジケーターです。サブウィンドウ上に表示され、バンド幅が拡大しているか収縮しているかを一目で確認できるのが特徴です。

ボラティリティが高まり、バンドが広がると線が上昇するため、相場の動向を掴む助けとなるでしょう。

主な活用方法として、以下の3つが挙げられます。

• スクイーズからエクスパンションに移るタイミングを掴む
• バンドウォーク発生中のスクイーズへの転換を把握する
• 短期トレード用のボリンジャーバンドとして使う（短期用の設定は期間10・偏差1.9がおすすめ）

Bollinger Bandwidthのダウンロードはこちらからできます。

ボリンジャーバンドと他の分析方法を組み合わせた手法もおすすめ

ボリンジャーバンドを活用する際は、他の分析方法と組み合わせることでより分析の精度を高められます。ここでは、以下の手法を紹介します。

• ボリンジャーバンドとダウ理論
• ボリンジャーバンドとRSI
• ボリンジャーバンドと一目均衡表

それぞれの手法について見ていきましょう。

ボリンジャーバンドとダウ理論

ボリンジャーバンドとダウ理論の組み合わせは、テクニカル分析における強力な武器となります。ダウ理論は全てのテクニカル分析の基礎とされ、多くの投資家が注目する理論です。

ダウ理論の法則として、以下の6つがあります。

1. 価格はすべての事象を織り込む：
   市場の価格（平均株価）は、政治、経済、心理的要因など、すべての情報を反映している
2. トレンドには3種類ある：
   短期トレンド、中期トレンド、長期トレンドの3種類に分類される
3. 主要なトレンドは3つの段階から形成される：
   長期トレンドは、蓄積期・追随期・過熱期の3段階で構成される
4. 価格は相互に確認される必要がある：
   異なる市場や指標が同じ方向を示すことで、トレンドの信頼性が確認される
5. トレンドは出来高によっても確認されるべきである：
   価格の動きが大きな出来高を伴う場合、トレンドの信頼性が高まる
6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する：
   既存のトレンドは、明白で一貫性のある反転の兆候が現れるまでは継続する

ボリンジャーバンドを活用する際、ダウ理論を取り入れることで、トレンドの段階や方向性をより確実に把握できます。また、ダウ理論を取り入れることで相場のダマシに引っかかるリスクを軽減し、エントリーやエグジットの判断精度が高まりやすいでしょう。

ボリンジャーバンドとRSI

ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせは、相場のトレンドとエントリーポイントを見極めるうえで有効です。RSI（相対力指数）は、相場が「買われすぎ」か「売られすぎ」かをパーセンテージで示す指標であり、特にダイバージェンス（価格の動きとRSIの動きが逆行する現象）を利用すると、トレンド転換のタイミングを把握するのに役立ちます。

上述のように、ボリンジャーバンドは価格のボラティリティを視覚化し、相場のエクスパンションやスクイーズを示します。一方、RSIは過熱感や反発のタイミングを示すため、これらを組み合わせるとトレードの精度が向上します。

たとえば、RSIがダイバージェンスで上昇トレンドを示唆しているときにボリンジャーバンドのエクスパンションが発生している場合は、強い上昇トレンドを期待できる可能性があるでしょう。

こうした分析により、大まかなトレンドの方向性を把握しながら、具体的なエントリーポイントを見つけられます。

ボリンジャーバンドと一目均衡表

ボリンジャーバンドと一目均衡表を組み合わせた手法は、トレンドフォロー型のトレードにおいて高い効果を発揮します。一目均衡表は、価格だけでなく時間の概念を重視したテクニカル指標で、転換線や基準線、雲（先行スパンA・B）などの5本の線を用いて相場の均衡を分析します。

この「雲」とボリンジャーバンドの動きを組み合わせることで、より精度の高いトレードが可能です。

具体的には、ボリンジャーバンドのエクスパンションが始まり、雲とのゴールデンクロス（またはデッドクロス）が確認できたタイミングがエントリーポイントの目安となります。また、ボリンジャーバンドがエクスパンションからスクイーズへ移行する局面では、利確やエグジットのタイミングとして有効です。

この際、上位足（長期の時間軸）でのトレンド方向を確認しておくことで、さらに信頼性の高いトレードをおこなえるでしょう。

まとめ

今回は、ボリンジャーバンドのエクスパンションを把握するためのおすすめのインジケーターや、ボリンジャーバンドを組み合わせたトレード手法について解説しました。

ボリンジャーバンドを使うことで、チャートの勢いや反転の目安を把握でき、順張り・逆張りそれぞれのトレードに活用可能です。

紹介した5つのインジケーターを参考にしながら、トレードを優位に進めるための分析ツールを取り入れてみてはいかがでしょうか。