「IFO注文の仕組みがよく分からない」「IFO注文をどのように活用すれば良いか不安」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
IFO注文を効果的に使うには、基本的な注文方法やメリット・デメリットを理解し、適切なタイミングで活用することが欠かせません。
今回は、IFO注文の基本的な仕組みや、実際のトレードでの活用方法について詳しく解説します。
「IFO注文の基本を学びたい」「トレード戦略への活用方法を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
FXのIFO注文とは、IFD注文とOCO注文を組み合わせた方法のこと
IFO注文は、FX取引において新規注文と決済注文を効率的に管理できる便利な注文方法です。この手法は、IFD(イフ・ディー・オーダー)注文とOCO(オーシーオー)注文を組み合わせたもので、新規エントリー、利益確定のための指値注文、そして損切りのためのストップ注文を一度に設定できます。
具体的には、例えば現在の為替レートが150円で「149円になったら新たに買い注文を出し、その後151円に達した場合は利益を確定、逆に148円に下がった場合には損切りを行いたい」といった複数の条件を一度の設定で実行可能です。IFO注文を使うことで、トレーダーはリアルタイムでの監視や発注の手間を省き、トレードの自動化を図れます。
IFO注文の特徴
IFO注文の主な特徴として、設定した条件がすべて自動的に実行されることが挙げられます。新規注文から利益確定、損切りまでを一度の注文で完結できるため、相場の変動に応じた迅速な対応が可能です。特に、取引のタイミングを逃したくない方や、時間が取れない方にとって便利でしょう。
ただし、IFO注文には注意点もあります。IFD注文の特性として、指定したレートに達しない限り注文が成立しないことがあるため、レート設定には慎重さが求められます。また、OCO注文で使用されるストップ注文では、スリッページが発生する可能性があり、相場の急変動時には想定外の損失が生じることもあります。これらの点を理解し、適切にIFO注文を設定することが欠かせません。
IFD注文とは
IFO注文とIFD注文は似ている部分もありますが、違いを明確に理解し、取引時に活用することが大切です。
IFD注文は、新規注文とその決済注文をセットで発注する方法で、たとえば「ある価格で新規買い、その後一定の価格で決済したい」といった形で利用されます。IFD注文は、新規の注文を約定しなければ決済注文が発動しないため、トレードの開始と終了を一貫して管理できます。
一方、IFO注文はIFD注文に加え、次に紹介するOCO注文の要素を組み合わせています。これにより、新規注文だけでなく、利益確定のための指値注文と損切りのためのストップ注文を一度に設定可能です。IFO注文は、トレードの全プロセスを自動化し、リスク管理も効率的に行えることが大きな強みです。
OCO注文とは
IFO注文とOCO注文は、どちらもリスク管理に役立つ注文方法ですが、用途と機能に違いがあります。OCO注文は、特定の価格に達した際に2つの異なる注文を同時に設定し、一方が成立するともう一方がキャンセルされる仕組みです。
たとえば、現在のレートが150円の場合「148円になったら買い注文を出し、152円になったら売り注文を出す」という形で使います。これにより、レートが148円に達すると買い注文が執行され、152円で売り注文が発動します。なお、未達成の注文は自動的にキャンセルされる仕組みです。
一方、IFO注文はIFD注文とOCO注文を組み合わせたもので、新規注文から利益確定のための指値、損切りのためのストップ注文を一度の設定で行います。IFO注文では、全ての注文条件を一括で設定できるため、より包括的なリスク管理が可能です。
具体的には、新規注文、利益確定注文、損切り注文を一度に設定し、それらが条件に達すれば自動的に約定します。OCO注文が主に新規や決済のいずれかの条件を管理するのに対し、IFO注文は取引全体の流れを管理できる点が大きな違いです。
FXにおけるIFO注文のメリット
FXにおけるIFO注文のメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- リスクを管理しやすい
- エントリー・利確・決済を一度におこなえる
それぞれについて解説します。
リスクを管理しやすい
IFO注文は、リスク管理を効率的に行える注文方法です。特に、利益確定と損切りの注文を一度に設定できる点が大きなメリットといえます。これにより、リアルタイムでチャートを監視する必要がなく、事前に設定した条件が達成されると自動的に注文が執行されます。
IFO注文を活用することで、仕事や家事で忙しく取引画面を常にチェックできない場合でも、設定した利益と損失のポイントに基づいた取引を管理できます。
これにより、過度なリスクを回避しながら、安定した運用が可能となるでしょう。IFO注文は、効率的なリスク管理をサポートしてくれるため、より安心して取引を行う上で役立ちます。
エントリー・利確・決済を一度におこなえる
IFO注文の最大の利点の一つは、エントリー、利益確定、そして損切りの3つの注文を一度で設定できることです。これにより、取引を開始する際に必要なすべての注文を一括で行うことができ、複数回に分けて発注する手間を省けます。
例えば、エントリー注文と同時に利益確定と損切りの条件を設定しておけば、エントリー注文が約定するのを待つことなく、あらかじめ決めた条件に基づいて取引を自動的に管理できます。リアルタイムでチャートを監視し続ける必要がなくなり、取引の効率が大幅に向上するでしょう。
FXにおけるIFO注文のデメリット
反対に、FXにおけるIFO注文のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 新規注文が約定しないと利益が発生しない
- 注文の入力に時間がかかる
それぞれについて解説します。
新規注文が約定しないと利益が発生しない
IFO注文には、新規注文が約定しなければ利益を得ることができないといったデメリットがあります。IFO注文では、最初に設定したエントリー注文が成立しない限り、利益確定や損切りの注文は自動的に発注されません。つまり、新規注文が成立しないと、設定した利確や損切りの条件も意味がなくなってしまいます。
そのため、相場分析を行い、新規注文が成立する可能性が高いポイントを見極めることが重要です。エントリー条件が適切でないと、希望する取引が実現せず、結果的に利益を得るチャンスを逃す可能性があります。IFO注文を活用する際は、新規注文の約定を確実にするためにしっかりと分析をおこないましょう。
注文の入力に時間がかかる
IFO注文のもう一つのデメリットは、注文の入力に時間がかかる点です。IFO注文では、エントリー、利益確定、損切りの3つの注文を同時に設定する必要があります。このため、注文内容をすべて正確に入力するために、一定の時間がかかります。
そのため、レートが急激に変動する短期間の取引においては、入力の遅れがチャンスを逃す原因となることがあります。特に、数秒から数分で利益を狙う超短期売買には不向きです。IFO注文は、デイトレードやスイングトレードなど、比較的長い時間軸での取引スタイルに適しているといえるでしょう。注文入力の時間的な制約を考慮し、自身の取引スタイルに合った注文方法を選ぶことが重要です。
FXにおけるIFO注文のやり方
FXにおけるIFO注文のやり方は、主に以下の4パターンに分けられます。
- 指値買い
- 逆指値買い
- 指値売り
- 逆指値売り
それぞれについて解説します。
指値買い
指値買いは、現在の市場価格よりも有利な価格で買いたい場合に使用される注文方法です。
具体的な手順は次の通りです。
まず、現在の価格よりも低い価格で買い注文を予約します。これにより、価格が下がった場合に、自動的にエントリーが可能です。次に、その買い注文が成立した際の利益確定のために、購入価格よりも高い価格で売り注文を設定します。
さらに、万が一予想に反して価格が下落した場合に備えて、購入価格よりも低い価格で損切りの注文も設定しておきましょう。これにより、比較的簡単にリスク管理できるようになります。最後に、これらの注文をすべて確認し、確定させることで取引は完了です。
指値買いは、リスクを抑えつつ、狙った価格でエントリーしたいトレーダーに適した方法といえます。
逆指値買い
逆指値買いは、現在の価格よりも高い価格で買い注文を入れる方法で、上昇トレンドが継続すると予測した場合に使用されます。
手順は次の通りです。
まず、現在の価格よりも高い価格で買いの予約注文を設定します。これにより、価格が上昇した場合に自動的にエントリーできるようになります。次に、買い注文が成立した際の利益確定を目指して、その価格よりもさらに高い価格に売り注文を設定しましょう。
また、予測に反して価格が下落した場合に備えて、購入価格よりも低い価格に損切りの注文を設定してリスクを管理することも忘れてはなりません。最後に、すべての注文内容を確認して確定することで、取引が完了します。
逆指値買いは、上昇トレンドに乗ることで利益を狙いたいトレーダーにとって有効な手法です。
指値売り
指値売りは、現在の価格よりも高い価格で売りたい場合に有効な注文方法です。価格が上昇した後に売却して利益を得たいと考えるトレーダーに適しています。
手順は次の通りです。
まず、現在の価格よりも高い価格で売りの予約注文を設定します。これにより、価格が上昇して目標値に達した際、自動的に売り注文が実行されます。次に、売り注文が成立した後の利益確定を目指し、それよりも低い価格に利益確定の予約注文を入れてください。
さらに、価格が予想に反して上昇し続けた場合に備え、売り注文を入れた価格よりも高い価格に損切りの予約注文を設定してリスクを管理します。すべての設定が完了したら注文を確定しましょう。
この方法を活用することで、リスクも管理しつつ、利益を狙った効率的な取引が可能です。
逆指値売り
逆指値売りは、現在の価格よりも低い価格で売却し、さらなる価格下落を見越して利益を得たい場合に利用する注文方法です。特に、下落トレンドが続くと予測される状況で有効です。
手順は以下の通りです。
まず、現在の価格よりも低い価格で売りの予約注文を設定してください。価格が下落して目標値に達した際、この注文が自動的に実行されます。次に、売り注文が成立した後、さらに価格が下がると予想して、その価格よりもさらに低い価格に利益確定の予約注文を設定します。
上記の注文方法と同様に、価格が予想に反して反転してしまう場合に備えて、売り注文を入れた価格よりも高い価格に損切りの予約注文を入れておきましょう。これにより、損失を最小限に抑えやすくなります。
この方法を使うことで、リスクを管理しつつ、下落相場で効率的に利益を狙いやすくなるでしょう。
FXにおけるIFO注文のコツ
FXでIFO注文を活用する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 買い注文は押し目を狙うこと
- 売り注文は損切りの設定を浅くしすぎないこと
- 安定した相場でIFO注文を使うこと
それぞれについて解説します。
買い注文は押し目を狙うこと
買い注文を行う際は、上昇トレンド中に一時的な価格の下落が起こる「押し目」を狙ってIFO注文を出すことが効果的です。押し目買いとは、一時的な下落を捉え、価格が再び上昇する前に購入する手法を指します。
押し目を狙う際には、一度に大量の通貨を購入するのではなく、価格の異なるポイントで分散して注文を入れることがポイントです。例えば、ドル円を3万通貨購入したい場合、まず150円で1万通貨、次に149.900円で1万通貨、そして149.800円でさらに1万通貨といった具合に、価格が下がるごとに少しずつ買い増すようにしましょう。
押し目を正確に予測することは難しいため、リスクを分散させるためにも、このように段階的に注文を入れることでより安定したトレードが可能になります。
売り注文は損切りの設定を浅くしすぎないこと
売り注文を行う際は、損切りラインを浅く設定しすぎないことが重要です。特に、下落トレンド中の価格の戻りは、予想以上に強くなることがあり、損切りラインにすぐに達してしまう可能性があります。これを避けるためには、損切りラインを新規注文ラインから十分な距離を持たせることが必要です。
目安として、売り注文を出す際には損切りラインを新規注文価格から15pips以上離して設定すると、短期的な価格の戻りによる損切りを回避しやすくなります。これにより、不要な損失を避け、より安定してトレードしやすいでしょう。
安定した相場でIFO注文を使うこと
IFO注文を効果的に活用するには、安定した相場で使用することが重要です。トレンドが発生している相場では利益を狙いやすい一方、相場の変動が激しくなるため、状況を頻繁にチェックする必要があります。
このような場合「相場に張り付かなくても良い」というIFO注文のメリットを活かしきれません。
相場が比較的落ち着いている状況でIFO注文を使用すれば、相場の変動が少ないため、注文がほぼ自動的に処理されます。特に、相場を常にチェックできない場合は、安定したレンジ相場などでIFO注文を設定しておくと安心してトレードできるでしょう。
まとめ
今回は、IFO注文の概要やメリット・デメリット、注文のコツについて解説しました。IFO注文はIFD(イフ・ディー・オーダー)注文とOCO(オーシーオー)注文を組み合わせたものであり、新規注文と決済注文を効率的に管理できる便利な注文方法といえます。
ただし、IFD注文の効果を高めるためには、安定した相場で使うことが欠かせません。レンジ相場などで注文を設定し、リスクを抑えたトレードを実現しましょう。