移動平均線乖離率を見れるインジケーターのおすすめは？乖離率の基礎知識も解説

FXにおいて「相場の変動が大きく、エントリーのタイミングを掴めない」「移動平均線乖離率の使い方が分からず、トレードでの成功が見込めない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

効果的なトレードを実現するためには、乖離率インジケーターを理解し、正確に活用することが欠かせません。また、乖離率の基本知識を身につけ、実際の市場でどのように使うかを学ぶことも重要です。

今回は、移動平均線乖離率を見れるおすすめのインジケーターや乖離率の基礎知識について解説します。

「乖離率インジケーターを活用した具体的なトレード手法を知りたい」「移動平均線乖離率を効果的に使った投資戦略を理解したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

移動平均線乖離率を見れるおすすめインジケーターは「OANDA_Multi_MA_Deviation」

「OANDA_Multi_MA_Deviation」は、MT4、MT5で使用可能な移動平均線乖離率を見れるインジケーターです。以下より、主な特徴や設定方法について紹介します。

主な特徴

「OANDA_Multi_MA_Deviation」は、MT5およびMT4用のインジケーターで、移動平均線との乖離率を直感的に表示します。このインジケーターを使用することで、価格が移動平均線からどれほど乖離しているかを視覚的に確認でき、トレンドの強さや市場の過熱感を把握することが可能です。これにより、エントリーや利益確定のタイミングを見極めやすくなります。

乖離率の推移は、ヒストグラムまたはライン形式でチャートの下部に表示でき、視覚的な分析が可能です。ヒストグラムで表示する際には、前の足からの増減に基づいて色分けされるため、トレンドの変化を一目で理解できます。また、ライン表示に切り替えることで、乖離率の推移をより滑らかに追跡することもできます。

さらに、このインジケーターはマルチタイムフレーム対応となっており、上位時間足の移動平均線の乖離率を同時に表示できます。これにより、異なる時間軸でのトレンドを把握しながら、より戦略的なトレードが行えるでしょう。

OANDA_Multi_MA_Deviationの設定方法

「OANDA_Multi_MA_Deviation」を使用するためには、まずインジケーターをダウンロードする必要があります。公式サイトもしくはこちらからダウンロードし、完了したら、MT5またはMT4のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」を選択してください。

表示されるエクスプローラーで、MT5の場合は「MQL5」フォルダ、MT4の場合は「MQL4」フォルダ内の「indicators」フォルダに移動し、ダウンロードしたex5ファイル（MT5用）またはex4ファイル（MT4用）をコピーして貼り付けます。

ファイルの配置が終わったら、エクスプローラーを閉じ、MT5またはMT4を再起動します。これでインジケーターのインストールは完了です。

インジケーターをチャートに表示する

インジケーターをチャートに表示させるためには、対象のチャートを選択した後、ナビゲーター内の「OANDA_Multi_MA_Deviation」をダブルクリックするか、ドラッグ＆ドロップします。

表示される設定画面では、必要な設定を行いましょう。

必要な設定のやり方

設定項目の中で重要なのは、まずMT5の場合は「仕様」タブ、MT4の場合は「全般」タブで「DLLの使用を許可する」にチェックを入れることです。その他の設定は「インプット」（MT4の場合は「パラメーターの入力」）タブで行います。

ここでは、表示する時間足や移動平均線の期間、種類（単純移動平均線、指数平滑移動平均線、平滑移動平均線、加重移動平均線など）、適用する価格を選択します。

また、移動平均線の乖離率をヒストグラムまたはラインのいずれかで表示する方法を選び、それぞれの色や幅、種類の設定も行いましょう。これにより、視覚的に分かりやすいチャートを作成できます。

移動平均線乖離率とは

移動平均線乖離率は、価格が移動平均線からどれほど離れているかを数値化した指標です。移動平均線は、特定の期間における価格の平均を示すラインであり、価格はこのラインから離れると、再び平均値に戻る傾向があります。この特性を利用して、乖離率を測定することで、上昇や下落の過剰な状態を判断しやすくなります。

たとえば、乖離率が高い場合、市場が過熱している可能性があり、逆に乖離率が低いと、価格の修正が期待できるかもしれません。したがって、移動平均線乖離率は、トレンドの強さや相場の過剰感を把握するために重要な指標となります。

移動平均乖離率の計算方法

移動平均乖離率を活用するためには、計算方法をしっかり理解することが重要です。乖離率の計算式は以下のようになります。

移動平均乖離率 = （終値 – 移動平均値）÷ 移動平均値 × 100

この式を用いることで、終値が移動平均線からどれだけ離れているかをパーセントで表すことができます。具体的には、価格が移動平均線よりも大きく上昇した場合、乖離率はプラスの値を示します。これは市場が過熱している可能性を示唆し、売りシグナルと解釈されることが多いです。

逆に、価格が移動平均線よりも大きく下落した場合、乖離率はマイナスの値になります。この状況は市場が過剰に下落していることを示し、買いシグナルとみなされることが一般的です。

このように、移動平均乖離率はトレンドの強さや相場の過剰感を評価する上で非常に有用な指標となります。

移動平均線乖離率の基本的な使い方

移動平均線乖離率の基本的な使い方として、以下の2通りがあります。

それぞれ解説します。

上方乖離は売りのシグナル

チャートが移動平均線よりも上に乖離している「上方乖離」の状態は、一般的に売りシグナルとされています。これは、価格が移動平均線から離れた際には、チャートが再びそのラインに戻るという性質があるためです。

上方乖離が発生すると、将来的に価格が下落する可能性が高まります。このタイミングを狙って逆張りを行うことが、移動平均乖離率を活用した取引戦略の一環です。

ただし、注意が必要です。乖離率はあくまで一つの指標であり、必ずしも反発するわけではありません。特に大きなトレンドが発生した場合、上方乖離が続くこともあります。

そのため、適切な損切りラインを設定しておくことが重要です。これにより、思わぬ損失を防ぎ、トレードのリスクを最小限に抑えられるでしょう。

下方乖離は買いのシグナル

チャートが移動平均線よりも下に乖離している「下方乖離」の状態は、買いシグナルとされています。この状況では、乖離率がマイナスであるため、チャートが移動平均線に向かって反発し、上昇する可能性が高いと考えられます。

特に、移動平均線よりも価格が大きく下にある場合、強い買いシグナルとして捉えることができます。

しかし、下方乖離が発生したからといって、必ずしも反発が起こるわけではないため注意が必要です。市場にはだましのシグナルも存在し、思惑通りに動かないことも多い点を忘れてはなりません。

移動平均線乖離率を活用したトレード手法の例

移動平均線乖離率を活用したトレード手法の例として、以下の3つを紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

乖離率が上方・下方に張り付くタイミングを狙う

移動平均線乖離率を活用したトレード手法の一つに、乖離率が上方または下方に張り付くタイミングを狙う方法があります。具体的には、乖離率がプラスの水準で長期間停滞しているとき、相場が過熱状態にあることを示唆しています。この場合、売りのチャンスを探ることが効果的です。

一方で、乖離率がマイナスの状態で安定していると、価格が過小評価されている可能性があります。このタイミングでは、買いシグナルとして活用することが期待できます。重要なのは、これらの状態が持続している間に慎重にエントリータイミングを見極めることです。

ただし、乖離率が張り付く現象は必ずしも反転を意味するわけではありません。市場のトレンドが強ければ、そのまま延長されることもあるため、適切なリスク管理が欠かせません。

基準にするレベル表示の値を調節する

移動平均線乖離率を利用したトレードにおいて、基準にするレベル表示の値を調整することは、トレード戦略の効果を高める重要な要素です。通常、乖離率は0%を基準としますが、相場の特性やボラティリティに応じて、この基準をカスタマイズすることが推奨されます。

例えば、特定の通貨ペアや商品のトレンドが強い場合、乖離率の上限を高めに設定することで、より明確な売りシグナルを得ることができます。逆に、相場が不安定な時期には、乖離率の下限を下げることで、早期に反転を察知しやすくなるでしょう。

このように、基準となるレベル表示の値を調整することで、トレードの柔軟性が増し、エントリーや利益確定のタイミングをより適切に判断できるようになります。

予想と逆方向のトレンド発生は注意深く見極める

移動平均線乖離率を活用したトレードにおいて、予想とは逆方向のトレンドが発生する場合には特に注意が必要です。乖離率をもとにしたシグナルが示す方向とは異なる動きが見られると、トレーダーは判断を再考する必要があります。相場は常に変動し、外部要因や市場のニュースによって急激に動くことがあるためです。

逆方向のトレンドが発生した場合、まずはその原因を冷静に分析することが重要です。テクニカル指標やファンダメンタルズを用いて、トレンドの持続性を評価しましょう。また、過去のトレンドパターンや相場のボラティリティを参考にすることで、どの程度の反転が予想されるのかを判断できます。

このように、予想と逆方向のトレンドを注意深く見極めることで、損失を最小限に抑え、適切なリスク管理をおこなえるでしょう。

移動平均線乖離率を使う際の注意点

移動平均線乖離率を使う際の注意点として、以下の2つに気をつけましょう。

それぞれ解説します。

損切りラインを決めておく

移動平均線乖離率を用いたトレードでは、予測が外れるリスクを常に考慮し、損切りラインを事前に設定することが不可欠です。乖離率はトレンドの反転を示す指標ですが、市場は予測通りに動くとは限りません。特に、強いトレンドが続いている場合、逆張り戦略を取ると大きな損失を被る可能性があります。

そこで、損切りラインを決めておくことで、急激な価格変動が発生した際に冷静な判断を促し、損失を最小限に抑えられます。設定する際は、過去の価格動向やサポート・レジスタンスレベルを参考にするのが効果的です。また、ポジションサイズに応じて適切なラインを設定することで、リスクを管理しやすくなります。

相場のボラティリティが低い時はやめておく

移動平均線乖離率を活用したトレードでは、相場のボラティリティが低い時は取引を控えることが重要です。ボラティリティが低い状況では、価格の変動幅が小さく、乖離率のシグナルも曖昧になりがちです。このため、トレードのエントリーポイントを見極めるのが難しく、誤った判断に繋がるリスクが高まります。

さらに、低ボラティリティ時には市場参加者が少なく、取引量も減少するため、流動性が低下します。これにより、スプレッドが広がり、思わぬ損失を被る可能性もあります。そのため、ボラティリティ指標や市場の状況を確認し、活発な動きが期待できる時にトレードを行うのが望ましいです。

まとめ

今回は、移動平均線乖離率を見れるインジケーター「OANDA_Multi_MA_Deviation」を紹介したのち、移動平均線乖離率の計算方法や使い方、注意点について解説しました。

移動平均線乖離率は、トレンドの強さや相場の過剰感を把握するのに役立ち、上方乖離は売りのシグナル・下方乖離は買いのシグナルとして活用できます。

記事で紹介した移動平均線乖離率を使う際の注意点を意識しながら、トレードに有効活用できるよう、インジケーターを導入してみてはいかがでしょうか。