「FXの口座開設に危険性はあるの?」「注意すべきことがあったら知りたい」を不安を感じている方は多いのではないでしょうか。正しい知識と計画を持って取り組めば、リスクを最小限に抑えながら安全にFX取引を行うことが可能です。
今回はFXの口座開設におけるリスクのほか、トレード時に気をつけたいポイントについて詳しく解説します。FX取引に興味がある方はぜひ参考にしてください。
FXの口座開設は必ずしも危険とは限らない
結論として、以下の条件を満たす安全な証券会社を選ぶことで、FX口座を安全に開設できます。
- 国内FX業者の信託保全があるか
- 金融商品取引業登録一覧に記載されている会社か
- 資本金や自己資本規制比率が高いか
それぞれの項目を理解し、危険を回避してFXトレードに臨めるよう、口座開設の準備を進めましょう。
国内FX業者の信託保全があるか
国内FX業者には、信託保全が確立されています。これは、各FX会社が信託銀行との提携を通じて、トレーダーから預かった資金を保護する仕組みのことです。たとえば、GMOクリックの場合、証券会社が倒産した場合でも預けられた資産は信託銀行によって保護されるため、トレーダーの資産は安全です。
このような信託保全の仕組みは、GMOクリック証券に限らず、他の国内証券会社でも同様に採用されているため、比較的安心して登録できるでしょう。
金融商品取引業登録一覧に記載されている会社か
金融庁の規制下では、日本で為替取引を仲介するFX会社は金融商品取引業としての登録が必要です。つまり、金融庁に登録されていない業者は合法的なFX会社として機能できません。
安心してFX口座を開設するためには、金融庁の公式サイトで確認できる「金融商品取引業登録一覧」に記載されているかどうかを確認することが重要です。この一覧に掲載されているFX会社は、金融庁の厳しい審査をクリアしており、法令遵守が確認されています。
例えば、GMOクリック証券は金融庁の登録を受けたFX会社であり、その登録がトレーダーにとって安心の証といえます。金融庁の登録を受けた会社を選ぶことで、信頼性の高い取引環境で為替取引を行えるでしょう。
資本金や自己資本規制比率が高いか
FX会社を選ぶ際に重要な指標の一つに、資本金や自己資本規制比率の高さがあります。自己資本規制比率は、FX会社の経営健全性を評価する指標で、高いほど安定性が高いとされています。高い自己資本規制比率は、会社の経営が安定しており、顧客の資金保護に対する取り組みが強力であることを示しています。
さらに、一部のFX会社では自己資本規制比率が1000%を超える例もあります。このような会社は特に安定性が高く、長期的な取引パートナーとしての信頼性が増すと考えて良いでしょう。
資本金や自己資本規制比率の高さは、取引を行う上での安全性と信頼性を保証する重要な要素です。トレーダーがFX口座を開設する際には、これらの指標を確認することが大切です。
FXトレードに関する3つの危険性
FXは口座開設よりも、トレードに関する危険性を理解し、気をつけて取り組むことが欠かせません。今回紹介するのは、以下3つの危険事項です。
- スワップポイントを狙い、為替差損が生まれてしまう
- レバレッジを高く設定しすぎて、損失額が大きくなってしまう
- 借金してもやめられないほどFXにハマってしまう
それぞれの項目について解説します。
スワップポイントを狙い、為替差損が生まれてしまう
スワップポイントを狙ってFXトレードを行う際に、為替差損が生じるリスクがあることを忘れてはいけません。スワップポイントは、異なる国の金利差から生まれる利益で、ポジションを保有しているだけで得られるインカムゲインです。このため、高金利通貨を買い、低金利通貨を売ることで、スワップポイントを稼ぐ戦略が人気を集めています。
しかし、スワップポイントを狙って大きなポジションを取ると、為替レートの変動による損失が発生することがあります。たとえば、スワップポイントを得るために長期間ポジションを保有していたとしても、為替レートが不利に動けば、得られるスワップポイント以上に為替差損が大きくなり、結果的に損失を抱えることになってしまうでしょう。
このリスクを軽減するためには、為替レートの動向を常に注視し、リスク管理を徹底することが重要です。また、為替差損による損失を相殺するための手法として、両建てやサヤ取りといった戦略も存在しますが、これらもリスクを伴うため、慎重な取引が求められます。
レバレッジを高く設定しすぎて、損失額が大きくなってしまう
FXトレードでは、レバレッジを高く設定しすぎることで大きな損失を抱えるリスクがあります。レバレッジとは「てこ」を意味し、少ない資金で大きな取引を可能にする仕組みです。これにより、利益を大きく得ることができますが、同時に損失も拡大するリスクがあります。
取引経験が少ないうちに高いレバレッジで取引を行うと、無計画なトレードとなり、ギャンブルのような状態に陥ることがあります。日本国内のFX会社では、最大25倍のレバレッジが許可されており、元手に100万円を用意し、25倍のレバレッジをかけると2,500万円相当の取引が可能です。
ただし、このような高額取引では、相場が思い通りに動かない場合の損失も非常に大きくなる可能性があるため注意しなければなりません。
そのため、特に初心者のうちは1倍から5倍程度の低いレバレッジで取引を行い、リスク管理を徹底することが重要です。低レバレッジで取引を行うことで、損失額を抑えつつ、徐々にトレードの経験を積んでいけるでしょう。
借金してもやめられないほどFXにハマってしまう
FXトレードにおいて最も避けるべき行為の一つは、借金をしてまで取引を続けることです。FXは余剰資金で行うべきものであり、生活資金や借金を使って資金を調達することは非常にリスクが高く、健全な取引とは言えません。
FXで重要なのは、大きな利益を追求するよりも、大きな損失を避けるためのリスク管理です。借金をしてまでFXにのめり込むことは、リスク管理が甘く、長期的な成功を妨げる原因となります。
もし、資金繰りが厳しくなり借金を考えるほど追い詰められている場合、一度取引を中断することがおすすめです。リスク管理の方法やトレード戦略をしっかり学び直し、十分な知識と計画を持って再度挑戦することが、資金を無駄にせず、健全な取引を続けるために欠かせません。
FXで危険な損失状態に陥りやすい人の特徴
FXで損失が膨らみ、危険な状態に陥りやすい人の特徴として、以下の3パターンが挙げられます。
- 感覚で取引をする人
- 一発逆転しか狙っていない人
- 絶対に損したくないと思っている人
それぞれについて解説します。
感覚で取引をする人
FXで危険な損失状態に陥りやすい人の特徴の一つに、感覚で取引をする人が挙げられます。FXは「なんとなく今がチャンスかもしれない」という感覚だけで利益を出せるほど簡単なものではありません。運が良ければビギナーズラックで一時的に利益を得ることもありますが、そのような幸運は長続きしないと考えて良いでしょう。
FX市場には、世界中から投資のプロフェッショナルが集まっています。彼らと競り合うためには、勘や運に頼るのではなく知識や技術に基づいた根拠ある取引が求められます。
例えば、経済指標の分析やテクニカルチャートの読み方、リスク管理の方法など、さまざまな要素を総合的に理解し、戦略的に取引を行うことが必要です。
一発逆転しか狙っていない人
「FXで一発逆転してやろう」「これで勝てば大儲けできる」と考えている人は特に注意が必要です。FXではレバレッジをかけた取引が可能ですが、レバレッジが大きくなるほど、その分少しの値動きで大きな損失を被る危険性が高まります。
例えば、高いレバレッジをかけた状態で相場が予想外の方向に動くと、大きな損失を被り、一気にロスカットされるリスクが高まるでしょう。
さらに、FX会社が定める証拠金維持率を下回った場合、追加で証拠金を入金しなければならない追証リスクもあります。これは、取引がうまくいかない場合に追加の資金を投入する必要が生じ、さらなる損失を招く可能性があることを意味しています。
FXで成功するためには、一発逆転を狙うのではなく、慎重かつ計画的な取引が求められます。特に初心者のうちは、余剰資金で少額取引を心がけ、リスク管理を徹底してトレードしましょう。
絶対に損したくないと思っている人
FXで失敗する人の中でも特に多いのが「損切りができない人」です。損切りとは、相場が予想と反する動きをした際に、早めに損失を確定して次のチャンスに備える行為です。しかし、特に初心者は「絶対に損したくない」という心理から、相場が回復することを期待してしまい、損切りのタイミングを逃してしまうことがよくあります。
このような期待が裏切られると、最終的にはロスカット(強制決済)され、大きな損失を被ることになってしまうでしょう。ロスカットは、一定の損失が発生した際に強制的にポジションが決済される仕組みであり、予期せぬ大きな損失を避けるためのセーフティネットですが、それでも損失は確定してしまいます。
そのため、損切りができない人は損失を拡大させるリスクが高く、資金管理が難しくなってしまうでしょう。トレードの成功率を高めるには、損失を受け入れる覚悟を持ち、事前に決めた損切りラインを厳守することが重要です。
FX初心者が安全にトレードするためのポイント3選
FX初心者が安全にトレードするためのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- トレードルールを確立する
- 値動きが安定した時間帯を選ぶ
- レバレッジを低く設定する
それぞれについて解説します。
トレードルールを確立する
FX初心者が安全にトレードするための重要なポイントの一つは、明確なトレードルールを確立することです。FXでは、予想に反して相場が動くことが頻繁にあります。そのような状況で「もう少し待てば回復するかもしれない」と期待してポジションを増やすと、損失が拡大してしまいかねません。
このリスクを回避するためには、「何pips逆方向に動いたらポジションを決済する」といった具体的な損切りルールをあらかじめ設定しておくことが重要です。損失を確定することは難しいかもしれませんが、長期的に考えると、損切りポイントを決めることは資金を守るために必要な戦略です。
いつまでもポジションを保持せず、損切りルールを守って再エントリーの機会を待ちましょう。
値動きが安定した時間帯を選ぶ
24時間取引可能なことがFXの特徴ですが、時間帯によって値動きの激しさ(ボラティリティー)に大きな差があります。特に金融機関が為替レート(仲値)を決める9:55前後は、価格が激しく上下しやすい時間帯です。この時間帯は取引の危険性が高まるため、初心者は特に注意しいましょう。
また、夏時間の16時頃(冬時間は17時頃)には、欧州市場が開くことで値動きが活発になりやすいです。さらに、基準となる為替レートを決める「ロンドンフィックス」と呼ばれる時間帯(夏時間は0時、冬時間は1時)についても、値動きの幅が広くなりやすい特徴があります。
これらの時間帯や、アメリカの雇用統計など重要な経済指標が発表される前後は、値動きが予測しにくくリスクが高くなります。そのため、このような時間帯には取引を控えるか、低いレバレッジで慎重に取引することをおすすめします。
レバレッジを低く設定する
レバレッジを低めに設定することで、FX初心者は大きな損失を出すリスクを抑えることができます。レバレッジを低く設定することは、特に経験が浅いトレーダーにとって重要です。
FX会社では、「実効レバレッジ」と呼ばれる仕組みでレバレッジが変動します。実効レバレッジは、資産評価額と取引数量に基づいて決定されます。このため、レバレッジを低く保つためには、以下の2つの方法があります。
- 取引量に対して証拠金を多くする
- 取引量を低くする
これらの方法を活用してレバレッジを低く設定することで、予想外の相場変動による損失を防ぎ、より安定したトレードを実現しやすいでしょう。
まとめ
今回は、FXの口座開設における危険性やトレード時に気をつけたい危険を生む行動などについて解説しました。FXでは、口座開設よりもその後のトレードにおける危険性が高いため、市場の理解や資金管理を徹底した、冷静な判断による取引が欠かせません。
記事で紹介したポイントを参考にしつつ、安全にFXトレードに取り組めるよう、レバレッジの設定やトレードルールの確立などを意識してみましょう。