「FX取引の最適な時間帯が分からない」「夏時間の影響でトレードがうまくいかない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
FX取引の成功には、夏時間による市場の変化を把握し、適切なトレード戦略を立てることが欠かせません。
今回は、夏時間がFX市場に与える影響や、取引時間の最適化方法について詳しく解説します。「FX取引における夏時間について知りたい」「効率的なトレードタイミングを見つけたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
FXは夏時間と冬時間で取引できる時間が決まっている
FXは、夏時間と冬時間で取引できる時間が決まっており、トレーダーはその時間内にしか取引を行うことができません。
なお、夏時間へ変わる時期、冬時間へ変わる時期はFX業者によって異なります。
国内外における夏時間と冬時間の取引可能な時間は、以下の通りです。
<国内FX業者>
FX業者 | 夏時間 | 冬時間 |
DMM FX | 7:00〜翌5:59(月) 6:00〜翌5:59(火〜木) 6:00〜翌5:50(金) | 7:00〜翌6:59(月) 7:00〜翌6:59(火〜木) 6:00〜翌6:50(金) |
SBI FX | 7:00~翌5:30(月〜金) | 7:00~翌6:30(月〜金) |
みんなのFX | 7:00~翌5:50(月〜金) | 7:00~翌6:50(月〜金) |
GMOクリック証券 | 7:00~翌6:00(月〜金) | 7:00~翌7:00(月〜金) |
アイネット証券 | 7:00~翌6:00(月〜金) | 7:00~翌7:00(月〜金) |
IG証券 | 5:00~翌6:00(月〜金) | 6:00~翌7:00(月〜金) |
ヒロセ通商 | 6:30~翌5:30(月〜金) | 月7:00~翌6:30(月〜金) |
サクソバンク証券 | 3:00~翌5:59(月〜金) 3:00~翌6:59(月〜金) ※オーストラリア夏時間・アメリカ冬時間の場合 | 4:00~翌5:59(月〜金) ※オーストラリア標準時間・アメリカ夏時間の場合 |
<海外FX業者>
FX業者 | 夏時間 | 冬時間 |
Exness | 6:05~翌5:59(月〜金) | 7:05~翌6:59(月〜金) |
FBS | 6:00~翌6:00(月〜金) | 7:00~翌7:00(月〜金) |
iFOREX | 6:05~翌5:00(月〜金) | 7:05~翌6:00(月〜金) |
IS6FX | 6:10〜翌5:55(月〜木) 6:10〜翌5:50(金) | 7:10〜翌6:55(月〜木) 7:10〜翌6:50(金) |
HFM | 6:05~翌5:59(月〜金) | 7:05~翌6:59(月〜金) |
Threetrader | 6:05〜翌5:59(月〜木) 6:05〜翌5:55(金) | 7:04〜翌6:59(月〜木) 7:04〜翌6:55(金) |
AXIORY | 6:04〜翌5:59(月〜木) 6:04〜翌5:58(金) | 7:04〜翌6:59(月〜木) 7:04〜翌6:58(金) |
BigBoss | 6:05~翌6:00(月〜木) 6:05〜翌5:55(金) | 7:05〜翌7:00(月〜木) 7:05〜翌6:55(金) |
Titan FX | 6:01~翌5:55(月〜金) | 7:01~翌6:55(月〜金) |
XM | 6:05~翌5:50(月〜金) 16:05~23:55(ルーブル関連の通貨ペア) | 月7:05~翌6:50(月〜金) 17:05~翌0:55(ルーブル関連の通貨ペア) |
LAND-Prime | 6:05~翌6:00(月〜金) | 7:05~翌7:00(月〜金) |
easyMarkets | 6:10~翌6:00(月〜金) | 7:10~翌7:00(月〜金) |
FXGT | 6:00~翌5:59(月〜金) | 7:00~翌6:59(月〜金) |
冬時間から夏時間になったときの影響とは?
冬時間から夏時間に切り替わると、経済指標や金融政策の発表時間が1時間前倒しになるため、取引タイミングの見直しが必要です。FX取引やCFD取引の取引時間も1時間早くなるため、これに関しても取引計画の調整が求められます。特に、値動きの活発時間帯が変更されるため、戦略の再評価が必要です。
また、夏時間導入前後には取引所の閉場時間が早まることがあり、ポジションの管理や決済タイミングを見直す必要があります。さらに、インジケーターやEAの設定も調整が必要です。
これらの変更により、取引の精度やタイミングに影響が出る可能性があるため、十分な確認と準備が欠かせません。
夏時間・冬時間以外にFXの取引ができない時間
夏時間・冬時間によってFXで取引可能な時間帯は限られていますが、そのほかに注意したいのは、以下のタイミングです。
- 土日
- 元旦(年末年始も含む)
- 祝日
- クリスマス
それぞれについて見ていきましょう。
土日は取引不可
FX取引は基本的に土日には行えません。理由は、世界の主要な外国為替市場の多くが休場になるためです。キリスト教の影響を受けない地域(中東など)では、一部の市場がわずかに取引を行っていますが、全体としては多くの市場が閉じています。
具体的には、土曜日の午前6時から7時ごろに取引が停止し、月曜日の午前7時に再開することが一般的です。
なお、土日でも市場が完全に静止するわけではなく、災害や経済ニュースが相場に影響を及ぼす可能性があります。そのため、週明けの取引開始時に予想外の価格変動が発生するケースは少なくありません。これにより、週末にポジションを持ち越していると、損切りや利益確定のタイミングを逃し、大きな損失を被るリスクがあります。したがって、週末にはポジションを持ち越さないほうが安全です。
元旦は取引不可(年末年始は要注意)
1月1日の元旦は、世界中の金融市場が祝日で閉場となるため、FX取引は行えません。この日は市場全体が休みとなるため、取引の機会はありません。
ただし、元日以外の年末年始も注意が必要です。この期間は流動性が大幅に低下し、相場が急変動するリスクが高まります。さらに、スプレッドが広がりやすく、取引コストが増大する傾向があります。
そのため、年末年始の取引はリスクが伴うため、ポジションの持ち越しや新規取引を控えたほうが賢明です。年末年始の市場状況に十分に留意し、計画的に取引を行いましょう。
祝日は要注意
日本の祝日を除いて、一般的にはFX取引を行うことができます。外国為替市場は世界中で稼働しており、例えば東京市場が休場でも他の主要市場は開いているため、取引自体は可能です。
また、アメリカが祝日の場合でも、東京市場やその他の国々の市場は通常通り取引を行っているため、基本的には取引に支障はありません。
しかし、祝日には主要市場が休場することがあるため、流動性が低下し、急な相場変動やスプレッドの拡大が起こりやすくなります。このため、祝日に取引を行う際は特に注意が必要です。流動性の低い市場では予期しない価格変動が生じることがあるため、慎重な取引が求められます。
クリスマスは取引時間が短縮の可能性
日本では12月25日のクリスマスは祝日ではありませんが、欧米の多くの地域では祝日として市場が休場となります。このため、多くのFX会社ではクリスマスの取引時間が短縮されることになります。
特に、取引量が大きいニューヨーク市場やロンドン市場が休場となるため、市場の流動性が著しく低下します。この状態では、突発的な値動きが発生するリスクが高まるため、クリスマス期間中の取引は慎重に行うべきです。
流動性の低下により予想外の価格変動が起こりやすくなるため、積極的な取引は避けると安心です。
為替市場が活発に値動き強いやすい時間帯を知ろう
FXを含む為替取引市場では、以下3種類の時間帯の値動きが活発になりやすいとされています。
- ロンドン市場
- ニューヨーク市場
- 東京市場
それぞれの市場について、時間帯や特徴を見ていきましょう。
ロンドン市場
ロンドン市場は、日本時間で16時から26時(冬時間は17時から27時)にかけて活発に取引が行われる時間帯です。この時間帯には、主にヨーロッパの投資家たちが取引に参加し、ユーロやポンドなどの通貨が盛んに取引されます。そのため、ロンドン市場では値動きが非常に活発になる傾向があります。
具体的には、16時から17時台にかけて取引量が増加し、ヨーロッパ勢による積極的な取引が見られますが、19時頃になるとヨーロッパ勢が昼休みに入るため、値動きが一時的に落ち着くことがあります。取引量のデータにも、この時間帯の変動が反映されています。
さらに、ロンドン市場は21時以降(冬時間は22時以降)にニューヨーク市場と重なり、この時間帯が1日の中で最も取引が活発な時間帯です。この時間帯はアメリカの市場が開いているため、流動性が高まり、値動きがさらに激しくなりやすいです。日中にチャートを確認できない方は、この時間帯での取引を検討してみましょう。
ニューヨーク市場
ニューヨーク市場は、日本時間の21時から早朝6時(冬時間は22時から早朝7時)にかけて取引が行われる時間帯です。この時間帯には、アメリカの投資家たちが中心となり、米ドル/円やユーロ/米ドルなどのドルストレート通貨ペアが積極的に取引されます。ニューヨーク市場は、アメリカ経済の動向が直接影響を及ぼすため、取引が特に活発です。
特に24時には「ニューヨークオプションカット」と呼ばれる通貨オプションの権利行使の期限が設定されており、これに合わせて投資家が取引を活発化させることがあります。また、翌1時にはロンドン市場の仲値が決定するため、実需筋の取引が加わり、値動きがさらに活発になる傾向があります。
ニューヨーク市場では、アメリカの重要な経済指標が頻繁に発表されます。特に毎月第一金曜日に発表される米雇用統計は、相場の流れを大きく左右するため、多くのトレーダーが注目しています。
上述のように21時以降(冬時間は22時以降)はロンドン市場と重なるため、値動きが大きくなりやすいことも押さえておくと良いでしょう。
東京市場
東京市場は、日本時間の8時から17時までが一般的な取引時間帯です。この時間帯には、日本をはじめ、中国、オーストラリア、シンガポールなどの市場参加者が取引を行います。午前9時55分には「仲値」と呼ばれる基準レートが発表され、これが実需筋の取引を促進し、値動きが活発になることがあります。仲値の発表後の10時を過ぎると、値動きが比較的落ち着いていくことが多いでしょう。
取引量のデータを見ると、午前9時から10時頃に取引量が急増し、その後は次第に落ち着いていく様子を確認できます。この時間帯は、東京市場の特有の活発さが見られるため、トレーダーにとって重要な取引時間帯です。
また、東京市場では「ゴトー日」と呼ばれる5日、10日、15日などの決済日が影響を与えることがあります。これらの日は企業の決済が集中するため、ドルが大量に必要となり、ドル高・円安の傾向が強くなることが多いです。この傾向を利用して、東京市場で仲値の動向に注目しながら取引を行うトレーダーも見られます。
FX初心者がトレードを避けるべき時間帯とは?
以下の時間帯は、値動きが小さく利益を狙いにくいため、トレードを避けるべきといわれています。
- 重要な経済指標の発表前
- 日本時間の早朝
それぞれについて、内容を確認しましょう。
重要な経済指標の発表前
重要な経済指標の発表前、例えば米国の雇用統計や主要国のGDPの発表前は、市場が様子見の状態になることが多いです。このため、値動きが小さくなり、取引が静まりがちです。
また、中央銀行の政策金利発表や主要国の要人による講演前も、同様に市場が慎重になる傾向があり、予測が難しく取引機会を見逃す可能性もあります。
また、経済指標の発表後は、予想外の結果や重要なコメントが影響して値動きが急激に激しくなることがあります。
そのため、経済指標の発表前後の取引はリスクが高く、急な価格変動に注意が必要です。特に、初心者にとっては取引リスクが大きいため、この時間帯を避けて取引するのが良いでしょう。
日本時間の早朝
日本時間の早朝、特に6時から7時頃は流動性が低く、値動きが比較的小さくなる傾向にあります。この時間帯は主な市場が閉じているため、取引量が少なく、価格の変動も穏やかです。
しかし、投機筋などが大きい取引を持ち込んだ場合、突発的に為替価格が動く可能性もあるため、注意しなければなりません。また、流動性が低いためスプレッドが広がりやすく、取引コストが増加することもあります。
そのため、この時間帯に積極的に取引を行うことは、リスクが高いといえます。特に初心者にとっては、予期しない価格変動や広がったスプレッドが大きな損失を招く可能性があるため、取引は避けたほうが安心です。
まとめ
今回は、FXにおける夏時間と冬時間の違いについて解説しました。FX業者によって取引可能な時間帯が異なるため、自身の取引環境に合ったものを選び、取り組んでいきましょう。
また、重要な経済指標の発表前や日本時間の早朝などはチャートを読み取りにくく、利益を狙うのが難しい傾向にあるため、注意が必要です。
記事の内容を参考にしながら、適切な時間帯でFX取引に取り組み、資産を増やしていけるようにしましょう。