FXにおけるスワップポイントとは?発生する仕組みや注意点を解説

FXにおけるスワップポイントとは?発生する仕組みや注意点を解説
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「FXでスワップポイントの意味がよく分からない」「スワップポイントをどう活用すれば良いかわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

FXでスワップポイントを活用するにはまず、発生する仕組みを理解することが欠かせません。

今回は、スワップポイントの基本的な概要や発生の仕組み、取引における注意点について詳しく解説します。

「FXでスワップポイントを活用して利益を増やしたい」「スワップポイントを活用した戦略的な取引のコツを知りたい」といった方は、ぜひ参考にしてください。

目次

FXにおけるスワップポイントとは?わかりやすく解説

まずは、FXで「スワップポイント」が何を指すのかについて解説します。

通貨ペアやFX会社によるスワップポイントの違い、計算方法についても紹介しますので、一つずつ見ていきましょう。

スワップポイントとは、金利の差のこと

スワップポイントとは、FX取引において異なる国の通貨間の金利差から発生する利益のことです。例えば、日本のような低金利の国の通貨を売り、金利が高い新興国の通貨を買うと、ポジションを保有している間はその金利差に基づいてスワップポイントを毎日受け取れる仕組みです。

具体例を挙げると、日本円を売って金利が約12%のトルコリラを買った場合、日本の政策金利が約0.1%であるため、両国間には約11.9%の金利差が生じます。この金利差がスワップポイントとして計算されます。

スワップポイントの詳細はFX会社によって異なりますが、例えばトルコリラ/円で1万通貨あたり300円程度のスワップポイントを得られるとしましょう。これを1年間保有し続けると、約10万9,500円(300円×365日)のスワップポイントを受け取れる仕組みです。ただし、これには約80万円の証拠金が必要となります。

スワップポイントは投資戦略として魅力的な方法の一つですが、為替変動や手数料も考慮することが欠かせません。

スワップポイントは通貨ペアやFX会社によって違う

スワップポイントは、通貨ペアやFX会社によって異なることが特徴です。通貨ペアごとに金利差が異なるため、当然のことながらスワップポイントの額も変わってきます。

例えば、高金利通貨と低金利通貨の組み合わせではスワップポイントが大きくなる傾向がありますが、反対に低金利通貨同士の組み合わせでは少額、またはマイナスになる場合もあります。

さらに、スワップポイントの額はFX会社ごとに異なり、同じ通貨ペアでも会社によって受け取れるスワップポイントに差が出ることがあります。そのため、スワップポイントを活用したい場合は、取引する通貨ペアだけでなく、利用するFX会社の提示する数値も比較検討することが重要です。

スワップポイントの計算方法

スワップポイントの計算方法は、取引する通貨ペアとFX会社によって異なる場合もありますが、基本的な計算手順は共通しています。

まず、スワップポイントは、通貨ペアの短期金利市場の金利と為替レートを基に算出されます。この金利は日々変動し、政策金利ではなく市場金利を参照するのが一般的です。

具体的に、スワップポイントを計算する際には以下の式が用いられます。

スワップポイント(円)=取引数量×金利(%)÷365日×円評価レート

なお、日数は365日で計算するのが主流ですが、一部のFX会社では360日を採用することもあります。計算で得られたスワップポイントは外貨で発生するため、その額を円換算するために、最終的に「円評価レート」を掛けて計算します。

スワップポイントの付与ルールもFX会社によって異なるため、事前に各社の情報を確認することがポイントです。

FXにおけるスワップポイントのメリット

スワップポイントを狙った運用には、通常のキャピタルゲイン(売買益)に加えてインカムゲイン(保有中に得られる利益)を得られるという大きなメリットがあります。スワップポイントは、通貨ペアを保有している日数に応じて毎日積み上がり、安定した収益源となり得ます。

特に中長期でポジションを保有する場合、スワップポイントは毎日少しずつ増えていくため、継続的な利益を期待できます。このため、単に相場の値動きによる売買益だけでなく、スワップポイントによるインカムゲインも同時に狙える点が魅力です。

ただし、相場の変動によっては、スワップポイントで得た利益が売買損失を上回らないリスクも存在します。しかし、売買益とスワップポイントの両方を得られる場合、リターンがさらに増える可能性もあります。

このため、特に長期的な投資戦略を採る場合において、スワップポイントのメリットは非常に大きいといえるでしょう。

FXにおけるスワップポイントのデメリット

スワップポイントを狙った運用には、いくつかのデメリットも存在します。

特に注意すべき点は、通貨ペアによっては「マイナススワップ」が発生する可能性があることです。これは、低金利通貨を買って高金利通貨を売る場合に発生し、スワップポイントとして金利差を受け取るのではなく、逆に支払わなければならない状況を意味します。

さらに、高金利通貨は一般的に値動きが不安定であるため、相場の急変動によって損失が拡大するリスクもあります。また、スワップポイントで得た利益は課税対象となるため、税金を考慮した運用が求められます。

これらのデメリットを踏まえ、スワップポイントを狙った投資戦略を採る際には、リスク管理と慎重な通貨ペア選びが重要です。

スワップポイントはなぜもらえる?発生するタイミングについて解説

スワップポイントがもらえる理由やその発生するタイミングについて理解するには、「ロールオーバー」という概念が重要です。

ロールオーバーとは、通貨ペアを日をまたいで保有することを指します。例えば、1日あたり150円のスワップポイントが付与されると仮定すると、このポイントは通貨ペアを日をまたぐごとに付与されます。そのため、同じ日内で売買を完了してしまうとスワップポイントは発生しません。

取引日は、日本時間の朝7時(米国サマータイム期間中は6時)に切り替わります。この時間に取引日が切り替わると同時に、保有している通貨ペアがロールオーバーされ、スワップポイントが付与されます。

ただし、スワップポイントの付与は毎日行われるわけではなく、土日や祝日などの非営業日に対応する分は前もって計算されて複数日分がまとめて付与されることがあるため注意しましょう。

さらに深掘りすると、FXの取引は通常2営業日後に決済が行われるため、水曜日に通貨ペアを保有して翌日にロールオーバーを行うと受渡日が2営業日後の月曜日となります。この場合、間の土日を含む3日分のスワップポイントが一度に付与されます。

このように、スワップポイントの発生タイミングには週末や祝日の影響もあるため、各FX会社が提供しているスワップカレンダーを確認することが重要です。定期的にカレンダーをチェックすることで、効率的なスワップポイントの獲得が可能となるでしょう。

スワップポイントが高い通貨一覧

スワップポイントが高い通貨ペアを選ぶには、高金利通貨と低金利通貨の組み合わせが鍵となります。具体的には、トルコリラ/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円などが代表的です。

これらの通貨ペアは、各国の政策金利の差が大きいため、保有するだけで高いスワップポイントを得やすいことが特徴です。そのため、スワップポイントを狙った長期投資を考えるトレーダーにとって、これらの通貨ペアは非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。

FXにおけるスワップポイントの注意点

FXにおけるスワップポイントの注意点として、以下の5つが挙げられます。

  • 必ずプラスになるとは限らない
  • 付与された収益は課税対象になる
  • 通貨ペアは分散させる
  • スプレッド幅が狭い通貨ペアを選ぶ
  • 証拠金維持率を定期的に見直す

それぞれ解説しますので、スワップポイントを効率的に得られるよう、取引戦略を見直してみてください。

必ずプラスになるとは限らない

スワップポイントは常にプラスになるわけではありません。高金利通貨を買って低金利通貨を売ることでスワップポイントを得ることができますが、その逆の組み合わせではマイナススワップが発生し、金利差分を支払う必要があります。

例えば、新興国通貨を売り建てると高額なスワップポイントを支払うことになり、短期取引でのリスクが増します。また、経済情勢の変化により金利差が縮小すればスワップポイントも減少する可能性があるため、為替レートの変動にも注意が必要です。

そのため、スワップポイントを狙う際はそのリスクを十分に理解し、しっかり取引戦略を練ることが重要です。

付与された収益は課税対象になる

FX取引で得られるスワップポイントは課税対象となるため、必要に応じてしっかりと確定申告をおこないましょう。スワップポイントに対する税率は20.315%で、内訳は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%となっていますが、この課税は取引を行う口座の種類によって異なります。

法人の場合、スワップポイントが付与された時点で課税されますが、個人の口座では実際にスワップポイントを受け取った時点で課税されます。そのため、口座の種類によって税金のタイミングが異なるため、管理や申告に際しては注意が必要です。

正確な課税処理を行うためには、自身の口座の取り扱いや税務に関する最新情報を確認し、適切に対応することが大切です。

通貨ペアは分散させる

スワップポイントを活用する際には、通貨ペアの分散投資が重要です。一つの通貨ペアに集中すると、為替の変動や政策金利の変化によるリスクを一手に引き受けることになります。

例えば、ある通貨ペアでスワップポイントの利益があっても、為替差損が発生すればその利益が消えてしまう可能性があります。さらに、政策金利の見直しによってスワップポイントが減少することもあります。

こうしたリスクを軽減するためには、複数の通貨ペアに投資を分散させるのが賢明です。異なる通貨ペアからの利益が相互に補完し合うことで、リスクを抑えながら安定した収益を目指せるでしょう。

スプレッド幅が狭い通貨ペアを選ぶ

スワップポイントを狙う際、スプレッド幅の狭さにも注目することが重要です。

スプレッドは、通貨ペアの売値と買値の差を指し、取引コストに直結します。高額なスワップポイントを得られる通貨ペアでも、スプレッドが広ければそのコストが利益を削ってしまう恐れがあります。

例えば、相場が安定していても、スプレッドの分だけ為替差損が発生するため、せっかくのスワップポイントが減少することになります。取引を始める前に、通貨ペアのスプレッド幅を確認し、できるだけ狭いものを選ぶことがおすすめします。

スプレッドが狭い通貨ペアの中で、スワップポイントが高い選択肢を見つけることで、取引コストを抑えつつ、効率的に利益を上げやすくなるでしょう。

証拠金維持率を定期的に見直す

スワップポイントを活用した取引を行う際は、証拠金維持率の定期的な見直しが不可欠です。口座の残高が必要証拠金を下回ると、ロスカットが発動し、ポジションが強制的に決済されることがあります。

この結果、受け取ったスワップポイントを超える損失が発生する可能性もあります。過去の金融危機を考慮すると、証拠金維持率は最低でも250%以上、できれば300%以上を維持するのが安全とされています。

特に中長期的な投資を行う場合は、証拠金維持率を高く保つことで、予期せぬ相場の変動に対するリスクを軽減し、スワップポイントによる利益を守れるでしょう。定期的に口座の残高と証拠金維持率を確認し、適切な管理を心掛けることが大切です。

まとめ

今回は、FXにおけるスワップポイントの意味やメリット・デメリット、注意点について解説しました。

スワップポイントはFX取引において、異なる国の通貨間の金利差から発生する利益のことです。

通貨やFX会社によってスワップポイントが異なる場合があるため、十分に確認した上で、スワップポイントを狙った運用を成功させられるように計画的な取引戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

みわのアバター みわ 奇跡のおこもりトレーダー

50歳、地方暮らしのシングルマザーで、息子2人、犬4匹、鳥7羽、夫0人で家にこもって生活してます。生活資金が底をつく超貧乏生活から、7年前に、“自宅での稼ぎ方”に出会って脱出しました。

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